【ロンドン時事】英経済紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は1日、ギリシャのチプラス首相が前日夜に欧州連合(EU)欧州委員会などの債権団側に親書を出し、これまでに示された支援条件について、一定の留保付きで受け入れる譲歩案を提示したと報じた。同紙はこの親書をネット上で公表。ユーロ圏の財務相は1日夕に開く電話会議で、この案を議論する見通しという。

 同紙によると、手紙は欧州委と国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)のトップに宛てたもので、2ページで構成。付加価値税(VAT)改革については離島部への特別待遇維持を求めたほか、年金改革に関しては支給開始年齢引き上げ時期の先送りを認めるよう要請した。

 同首相は親書の中で「われわれの修正提案は具体的であり、支援策全体の強固さと信頼性に配慮したものだ」と記し、債権団側に理解を求めている。ただ、EUなどはこれまでのギリシャ支援をめぐる交渉で、強硬姿勢を崩さないチプラス首相への不信感を強めている。また、今回の親書も留保付きであるため、財務相会議でどこまで評価されるか不透明だ。