幸四郎、47年目の『ラ・マンチャの男』へ | ニコニコニュース

ミュージカル『ラ・マンチャの男』キャスト一同
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松本幸四郎が1969年から主演をし続けているミュージカル『ラ・マンチャの男』が今年、3年ぶりに上演される。7月2日、本作の製作発表会見が行われ、幸四郎をはじめ、霧矢大夢、駒田一、ラフルアー宮澤エマ、宮川浩、上條恒彦らが登壇し意気込みを語った。

ミュージカル『ラ・マンチャの男』チケット情報

田舎の老人アロンソ・キハーナが、妄想の果てに自分は遍歴の騎士ドン・キホーテだと思い込み、夢と真実を追い求める旅に出る物語『ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』。セルバンテスが記したこのスペインの国民的文学を、ミュージカルでは作者のセルバンテスが投獄されていた事実を絡めて描き出す。幸四郎はドン・キホーテ/セルバンテスを26歳の時から演じ続けているが、「今回の公演の時にはなんと73歳。普通ならゴルフやゲートボールを公園でやっている齢ですが、私は今年も稽古を入れて4か月、『ラ・マンチャの男』をやっています」と笑う。

そんな長きにわたり演じている本作は、幸四郎のライフワークとも呼べる作品であり、自身も「父が死んだ時も、母が死んだ時も、『見果てぬ夢』(作品を代表するナンバー)を歌っていました。このミュージカルに助けられ、勇気づけられて今日まできた」としみじみ。「この物語では「事実はいつの時代も真実の敵だ」「ありのままの人生に折り合いをつけてしまって、人間としてあるべき姿のためになぜ戦わないんだ」と訴えている。でも現実では、あるべき姿のために戦わなければいけないのだけれど、やっぱり疲れるし、夢は失ってしまう。そういう方が多いからこそ、『ラ・マンチャの男』は上演されるんじゃないか。『見果てぬ夢』をお客さまが聞いて、ああ明日も頑張ろうと思ってくれる、その気持ちのためにやってきた」と、上演し続ける理由を熱く語った。

幸四郎扮するキホーテの“憧れの麗しき姫”アルドンザ役は、元宝塚トップスターの霧矢が演じる。初参加となる霧矢は「大変光栄であるとともに、大きなプレッシャーがのしかかっています。このカンパニーの中にアルドンザとして入ることがまだ夢のようですが、しっかりついていきたい」と意気込みを。また1977年公演から出演している牢名主役の上條恒彦は、「38年もお付き合いさせていただき大変光栄です。幸四郎さんより僕は2歳上なので、おそらくこれが最後になるんじゃないか。38年間が無駄にならないように頑張りたい」と話していた。

公演は9月2日(水)から21日(月・祝)まで大阪・シアターBRAVA!、10月4日(日)から27日(火)まで東京・帝国劇場にて上演される。チケットは大阪公演は発売中、東京公演は8月1日(土)に一般発売開始。ほか長野公演もあり。なお現在、10月25日(日)のぴあ半館貸切公演(東京)のWEB先行先着販売「プリセール」を受付中。