なんていうか…どうしてもほしい気持ちは伝わりました。
アメリカのケーブルテレビ業界4位のチャーターが、同じく2位のタイムワーナーケーブルを買収しようとしています。米政府の規制機関に認めてもらうため、チャーターはこの合併が一般の消費者にとって利益のあることだと説明しないといけません。そこでチャーターは先日、連邦通信委員会(FCC)に書類を提出しました。
…が、チャーターの説明がなかなか謎なんです。「合併したあかつきには、FCCが採択したネット中立性の規則にきちんと従いますよ」と言っているんですが、えっ、もし合併しなかったら規則に従わないってこと…!? さらに、ネット中立性の規則(=オープンインターネット規則)で決められている、ブロッキングの禁止、速度制限の禁止については、3年間だけ守るとしているんです。
ブロードバンドサービスの発展に向け、オープンなインターネットの重要性は十分認識しています。新しいチャーターはオープンインターネット規則にのっとり、インターネットトラフィックをブロックすることも、速度制限することもしませんし、もちろん有料で一部のトラフィックを優先させることもしません。(オープンインターネット規則の一部サービスの)再分類について、現在行われている訴訟の結果に関係なく、このコミットメントは今後3年間守ります。
これが理由なのですが…これ、消費者の利益になるんでしょうか。
たしかに、オープンインターネット規則についてはまだごたごたが起きていて、インターネットの未来に暗雲が立ち込めています。AT&Tは規則に不服だとしてFCCを提訴。他の企業も訴えるのか、それとも規則を受け入れるのか、どちらかに態度を決めています。一方のチャーターは、なんとか買収を認めてもらうために規則を支持するふりをして、FCCに媚を売っているような…。
もちろん、他にもチャーターは妥当な理由も挙げています。合併できたら料金を下げます、というもの。ただ、どのブロードバンド会社も言っている、口約束っぽいものではありますが…。
ちなみにチャーターの買収がうまくいった場合、アメリカ第2位のCATV企業になります。巨大買収によって競争相手が少なくなるのは、競争が必要な市場にはいいことじゃなさそうな気がします。アメリカにもっといいブロードバンド環境を整えるには、競争、つまり企業の数が必要なのではないでしょうか。
source: FCC via New York Times
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(conejo)