シャルル・ルブランの『エバハルド・ヤバックと家族』という作品は1660年に完成されたものです。いまその絵画はニューヨークのメトロポリタン美術館に飾られているんですが、やっぱり古いだけあってなんというか素人目に見てもアレだったわけです。そこでメトロポリタン美術館はその修復のプロセスをビデオで公開することにしたのですが、これが実に繊細かつ大掛かりな作業で感心してしまいます。
立ち上がってる状態の作品からニスを取って、作業台に横にするのにも大変です。そこから絵を貼付けてある木のフレームを取り除き、フレームと絵をくっつけていたワックスを丁寧に取り除き、画材自体に起きている劣化を修復します。水分を与えてアイロンで熱を加えて、と細かい作業を繰り返します。
その後、下向きに絵をひっくり返すのも一苦労です。巨大なローラーに固定して、一回転させた後、絵の下側を取り上げて。。。とビデオを見てもらうと分かりますが、実際の修復作業だけでなく、どうやって絵を動かすか、ひっくり返すか、などのロジスティクスも複雑なんですね。修復が完了した後の作品はやはり目に見えて色が鮮やかになっていますね。
Casey Chan - SPLOID [原文]
(塚本 紺)