いま話題になっている銘柄、自分が気になっている銘柄などはいつ買って、いつ売ればいいのか? 投資では一番の大きな問題だ。そこで、おすすめしたいのが各ネット証券のホームページで見ることのできる目標株価やレーティングを活用すること。今回は目標株価やレーティングを使って投資タイミングを判断する方法について紹介したい。
目標株価やレーティングは、各ネット証券でチェックができる【図表1】。
【図表1】ネット証券各社の目標株価・レーティング情報目標株価レーティング理論株価企業スコア岡三オンライン証券の場合、取引ツールに企業分析機能も付随しており、目標株価の推移がグラフで見られる【図表2】。最近、話題のファナック(6954)だが、【図表2】を見ると、目標株価近辺に達しているようだ。
この銘柄の場合、過去の値動きを見ると、目標株価を上回りながら上昇した時期もあり、目標株価が絶対とは言えない。それでも、今、話題の銘柄だからといって高騰している時期に買ったら利益は出にくいだろう。そこで、ひとつの手として、好業績銘柄や話題のテーマ株の株価が、目標株価を下回っている時期に買い、上回っている時期に売る、という方法がありそうだ。
レーティングとは、アナリストが5段階などで評価した株価格付けのこと。もっとも上位の買い推奨銘柄がおすすめだが、レーティングの推移もチェックしておきたい。松井証券やマネックス証券、楽天証券などは、コンセンサスレーティング(多くのアナリストのレーティング平均値)の流れが見られる【図表3】。高レーティング銘柄でも、過去からの流れで見ると、下降気味の場合がある。要はレーティング変化の原因となった材料を知っておくことが重要だろう。
マネックス証券(決算&業績予想)やカブドットコム証券(評価レポート)では、レーティング変更のニュースを、過去にさかのぼって見られる。変更の原因を探す際には便利だ。
◆マネックス証券【証券情報⇒マネックス証券の紹介ページ】株式売買手数料(指値)口座開設10万円30万円50万円100円250円450円【マネックス証券のメリット】 プログラムトレードができる高機能無料ツール「マネックストレーダー」、リスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」、日本株や先物取引についてロボットの投信判断を日々配信する「マネックスシグナル」などユニークなサービスを展開する大手ネット証券。投資信託も1000円から積立ができる。【関連記事】【マネックス証券おすすめのポイントはココだ!】日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手財務指標から見た割安・割高も見ておきたい
これまで紹介してきた目標株価やレーティングは、アナリストが判断したものだ。一方、理論株価や企業スコアを掲載しているネット証券もある。企業スコアや理論株価は、財務指標などから算出した数値と言える。最近の記事でも理論株価について紹介しているので参考にしてほしい(『桐谷さんもフル活用している「理論株価」によると日経平均2万円の現在でも6割以上が割安との結果!割安株と理論株価の算出方法・活用法を紹介!』)。
たとえば、GMOクリック証券では、個別銘柄ページの「財務分析」欄で理論株価が見られる。事業価値、財産価値、有利子負債から理論株価を算出し、割安か割高かが表示される【図表4】。さらに、業績の変化が株主価値に与える影響を踏まえた割安・割高をシミュレーションする機能もある。
◆GMOクリック証券【詳細情報⇒GMOクリック証券の紹介ページ】株式売買手数料(指値)口座開設10万円30万円50万円98円241円241円【GMOクリック証券のメリット】また、単純に割安度を知る場合には「スコア」を利用する手もある【図表5】。ライブスター証券で見られる「QUICKスコア」の割安性は、予想PER、実績PBR、予想配当利回りの3つの数値を合成して10段階でスコア化されている。スコア値が高いほど割安を意味している。また、業種平均との比較も見られる。買いたい銘柄があった場合、割安度をチェックしてみる手があるだろう。
理論株価を算出する場合、企業業績の将来予測が必要となる。また、スコア分析を見ると、企業分析には、割安性だけでなく、成長性、収益性、市場トレンドほか、多くの要素が必要なことがわかる。
こういったことをプロのアナリストが評価した結果がレーティングや目標株価だ。アナリストの視点は、アナリストレポートに書かれている。アナリストレポートは、カブドットコム証券(三菱UFJモルガン・スタンレー証券のレポート)やSMBC日興証券で手軽にチェックが可能だ。
なお、今が旬の銘柄の目標株価を知りたい場合には、SBI証券がサイト上で公表している「週刊日本株式アウトルック」をチェックしよう。銘柄一覧に目標株価やロスカット株価が書かれている。
最後に、大量銘柄の目標株価を一気にチェックする方法を紹介しよう。利用するツールは、岡三オンライン証券の「岡三ネットトレーダープレミアム」だ。最初に、注目する銘柄群(たとえば、「インバウンド消費関連」「オリンピック関連」などの銘柄)を、まとめて株価ボードに登録しておく。次に企業情報が見られる「企業分析ナビ」を起動し、株価ボードと画面連携機能を働かせる【図表7】。これで準備完了だ。
株価ボードに登録した銘柄を次々クリックすると企業分析ナビの画面も、該当銘柄の情報に次々と切り替わる。こうすれば、注目するテーマ株の中から目標株価より割安な銘柄をすばやく発見できる。
※目標株価やレーティングは投資の目安であり、必ずしも投資の利益を保証するものではありません。