『おくりびと』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎監督、『岸辺の旅』で今年、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の監督賞を受賞した黒沢清監督など、世界に誇る名匠を数多く輩出し、若き才能の登竜門といわれるピンク映画の名門「大蔵映画」。「OP PICTUERS」名義で現在も年間36本のピンク映画をコンスタントに制作し続けている同社が、新プロジェクト「OP PICTUERS+」を立ち上げ、一般劇場公開作を制作すると発表した。
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1962年に制作された日本初のピンク映画『肉体の市場』を配給して約半世紀、ピンク映画の全てを知り尽くした大蔵映画が再び動き出した。「ピンク映画の魅力をより多くの方に知っていただきたい」という思いから立ち上げた新プロジェクトでは、1つの企画をR18+とR15+の2バージョンで制作し、従来のR18+は成人劇場で、濡れ場をコンパクトにし、ドラマ部分をより充実させたR15+は「OP PICTUERS+」シリーズとして一般劇場公開する。
第1弾公開作は、ピンク映画のアカデミー賞と呼ばれるピンク大賞で本年度の最優秀作品賞を受賞した山内大輔監督の『犯(や)る男』と、同賞の監督賞を受賞した竹洞哲也監督の『誘惑遊女~ソラとシド~』の2本。『犯(や)る男』は、退廃的な世界の中に生まれる愛の形を圧倒的な緊張感と特殊造形で描き、『誘惑遊女~ソラとシド~』は、女の子の心の揺れ動きと町の再開発をリンクさせ、微妙な心情を効果的な風景描写で表現する。
現在のピンク映画を語る上で欠かすことのできない両監督の個性あふれる2作品を皮切りに、今後、ピンク映画の持ち味である“自由さ”を武器に、他社では作れない愛をテーマにした作品が続々と登場する予定だ。
映画『犯(や)る男』は 8月22~27日、『誘惑遊女~ソラとシド~』は8月30~9月4日まで、テアトル新宿にて限定レイトショー公開。