軍事開発疑惑、年内に報告も=イラン核協議妥結で―IAEA | ニコニコニュース

 【ウィーン時事】国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は4日、イラン核協議で焦点になっている同国の核開発に関する「軍事的側面の可能性(PMD)」の査察について、「イランの協力があれば、PMDに関する報告書を年内に提出できる」と表明した。協議が続けられているウィーン市内で記者団に語った。

 PMDの調査期間を明確にすることで、イラン側に軍事施設の査察などで協力を促した形だ。天野氏は、2日にテヘランでイランのロウハニ大統領らと会談したことに関し「進展はあったものの、さらなる作業が必要だ」と説明した。

 欧米は核協議で「軍事分野に関するIAEAの懸念に対処すること」を求めているが、イラン側は軍事施設の査察や科学者の聴取などを拒否している。

 ロイター通信によると、欧米とイランは4日、欧米の対イラン経済制裁を凍結するメカニズムに関して暫定的に合意した。ただ、国連安保理制裁の解除や再制裁の手続きに関する新たな安保理決議案の内容をめぐり協議が続いている。

 一方、イランのザリフ外相は3日、動画サイト「ユーチューブ」に公開したメッセージで、過激派組織「イスラム国」を念頭に「イランは共通の脅威と戦う用意がある」と述べ、欧米側に協議での譲歩を迫った。

 ザリフ氏は「(協議は)最も合意に近づいているが、その保証はない」と指摘。経済制裁など「脅しと圧力」では何の目的も達成できないと強調し、「バランスの取れた良い合意が求められている」と訴えた。