「予想通り」「忍耐も限度」=北朝鮮報告延期に家族怒り―拉致再調査開始から1年 | ニコニコニュース

 北朝鮮が日本人拉致被害者らの再調査を開始してから1年となった4日午後、拉致被害者の家族会と支援団体「救う会」が東京都内で記者会見を開いた。北朝鮮が調査結果の報告を延期すると連絡してきたことに対し、家族からは「予想通りの結果」「じくじたる思いだ」と怒りの声が相次いだ。

 家族会の飯塚繁雄代表(77)は「安倍総理は『忍耐強く待つしかない』と言うが、被害者や家族はその忍耐すらとっくの昔に限度がきている」と強調。「北朝鮮に誠実に報告させるには、それなりに強いカードをちらつかせて要求しないといけない」と述べ、被害者が帰国できない場合は強力な制裁を発動するべきだと訴えた。

 横田めぐみさん=失踪当時(13)=の父滋さん(82)は「(報告延期は)予想されたことではあるが、非常に残念。できるだけ早くするよう交渉してほしい」と落胆。母早紀江さん(79)も「やはりという思い。日本が今はっきりと強い姿勢を示さなければ、何年たっても同じことが繰り返される」と語った。

 めぐみさんの弟拓也さん(46)は「相手は犯罪国家。制裁見送りの政府判断は誤りだ」と憤慨。もう1人の弟哲也さん(46)も「北朝鮮は不誠実極まりない。政府は期限を切り、(被害者の奪還が)できないようならあらゆる制裁を発動してほしい」と求めた。

 拉致された田口八重子さん=同(22)=の長男飯塚耕一郎さん(38)は「北朝鮮はこの問題の長期化を狙っている」とさらなる延期を懸念。田口さんの兄本間勝さん(71)は「外務省の交渉には手ぬるさを感じる。最初の交渉で『約束が守れない場合は制裁をかける』と明言しておけばよかった」と憤った。