教えて大先生!
1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/07/05(日) 19:05:56.810 ID:7vxKFnk20.net
大先生「今日はパソコンの基礎について学びましょう。」
おまいら「先生!クオーター配列ってなんですか!!」
大先生「QWERTY配列はクウォーティー、クワーティ、クウェルティと呼ばれていますが作者のクリストファー氏は配列について語っていないのは説明しましたね。当然ながら配列に名称なんて付けるわけもなく、QWERTY配列なんてのは後付けなんですよ。だからその配列をどう呼ぼうと自由と言う訳です。」
おまいら「それ先生の感想だよね。」
大先生「今日は皆さんが何気なく使っているキーボードについて解説しましょう。前回キーボード配列の成り立ちを説明しましたね。今回は実際にキーボードを選んでみましょう。」
3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/07/05(日) 19:10:14.177 ID:7vxKFnk20.net
大先生「市販されているキーボードと言ってもピンからキリまで存在し、下は100円、上に至っては127,500円と100倍以上もの価格差があります。」
大先生「以前はパソコンのキーボードも良い物が使われていましたが、それもそのはず。当時のパソコンは30万40万と非常に高価だったので、キーボードもコストカットを一切考えずに作られてきました。しかしパソコンの低価格化が進むにつれスペック表に書けないキーボードは真っ先に削られることとなります。IBM 5576-B01が有名ですね。A01と比較して1万円ものコストカットを行いましたが、それですら15,000円もしています。」
大先生「キーボードにおけるコストカットとして有名なのがメンブレン機構の開発です。これまでは基板を使っていた物が安価なメンブレンシートに代用できるので大きな進歩です。次にラバードームの開発。リモコンや電卓を分解したことはありますか?あれと同じ作りになった、と言うことです。」
メンブレンシート
ラバードーム
4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/07/05(日) 19:15:22.681 ID:7vxKFnk20.net
大先生「キーキャップもスライダーと独立していた物が一体型になり、部品数が最も少ない状態へとカットされて行きました。ノートパソコンは薄くする為にパンタグラフと呼ばれる機構を開発しました。電車のパンタグラフが由来です。アイソレーションも有名ですね。さらに薄くしようとコントローラーをM/B側に付ける工夫がされていますね。」
キーキャップにスライダーが付いた物
パンタグラフ
アイソレーション
大先生「メカニカルキーボードは基板にスイッチを1個ずつ付けています。OADG109Aでは109個ものスイッチが使われており、どうしても高価になってしまいます。メンブレンでも打ちやすさを追求したキーボードが数多く存在し、キーキャップとスライダーを分けることで打ちやすくしたり、ラバードームを独立させることでタクタイル感を強化したモデルもありました。」
大先生「OADG109AことJIS配列とUS配列の2種類を例にします。国によって独自の配列がありますが、日本で使う上でUK配列を使うメリットが薄いことから今回は説明を省きます。」
US配列
JIS配列
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/07/05(日) 19:21:32.022 ID:7vxKFnk20.net
おまいら「右側にWindowsキーが付いているモデルと無いモデルの違いはあるの?」
大先生「Windowsの対応モデルとして認証される条件の一つとなります。最新のWindowsマークにしないと対応モデルにならない他、Windows 8以降では右Winキーが条件に加えられました。それにより東プレなど配列を変更せざるを得なくなったメーカーも存在します。」
おまいら「MSが諸悪の根源なの?」
大先生「Macintoshのキーボードもコマンドキーなど専用のキーを追加していたので、それに対抗して追加したのでしょう。Alt+Ctrl+Delも専用のキーを追加したかったとMSは語っています。IBMが生み出した偉大なる101配列を崩す形となるので私は右Winキーが好きではありません。」
101配列
Apple Extended Keyboard II
7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/07/05(日) 19:25:40.518 ID:7vxKFnk20.net
大先生「JIS配列配列との違いとして"半角/全角"が"チルダ"になっていることが大きいですね。Alt+`の同時押しでIMEを切り替えることが出来ます。
スペースが長いので変換を多用する日本語では非常に重宝します。OADG106で追加された下段のキーはかな入力をする上では重要ですが、ローマ字入力においては必要性に欠ける他、F6-F10で変換できるので長いスペースの方が便利とされています。ダイヤテックのMajestouch2でもスペースが長くされており、一般ユーザーから好まれています。」
大先生「変換した文字を確定するにはエンターキーを押す必要があり、JIS配列ではUK配列と同じく大きなエンターキーが使われています。大きいから押しやすい、と思いがちですがホームポジションに指を置いた状態だと小指から3キーも離れてしまい、ポジションを大きく崩してしまいます。横長のエンターキーは2キーしか離れておらず、ポジションを維持しつつ押すことが可能です。長いスペースバー(長いのはスペースバー、短いのはスペースキーと呼ばれている)もポジションを維持しつつ親指ですっと押せることから高い人気を誇っています。」
UK配列
大先生「US配列にはLを反転した形状のエンターキー(big-ass enter)も存在しており、Model Fの名残があります。私は嫌いです。大嫌いです。その理由が従来のUS配列から変わってしまう他、Model Fですらエンターの上側が引っかかってしまう為押しにくいことです。」
Model F ibm84.gif
逆Lエンター(big-ass enter)
8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/07/05(日) 19:26:36.407 ID:7vxKFnk20.net
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/07/05(日) 19:30:32.791 ID:7vxKFnk20.net
大先生「キースイッチの特質としてリニア、タクタイル、クリックの3種類が挙げられます。リニアは抵抗感の無い押し心地。コイルスプリングがありますね。
それを指で押すと抵抗なく押しつぶすことが出来ます。それに似ています。有名なのがNEC PC-9800やCherry MX赤軸です。Cherryとはキーボードのメカニカルスイッチを製造している独ZF Electronicsのブランド名です。MX赤軸はその製品名となります。」
大先生「タクタイルは抵抗感。リモコンのボタンを押したときに"押した感"がありますね。それがタクタイルです。キーボードだとラバードームを使ったキーボード全般やCherry MX茶軸が有名です。後に説明するRealforceと呼ばれるキーボードもタクタイルになります。」
大先生「クリックは文字通りクリック音が鳴るキーボードのことを指します。マウスのボタンを押してカチカチ鳴るのもクリックです。接点に到達したときにクリック音が発生する物があれば、接点の位置でクリック音が鳴るようにした物もあります。意図的にクリックを付けた、と言うことですね。他にもキーボードのスピーカーからクリック音が鳴る物もありますが、特質のクリックとは別になります。クリックの代表としてCherry MX青軸やUnicompのバックリングスプリングが有名です。」
大先生「キーキャップの印字にも種類があり、インクを乗せただけのプリント印刷。インクを乗せ、コーティングを施すことで耐久性を高めたシルク印刷、表面を焼くことで消えにくくしたレーザー印刷、熱によりインクを浸透させることで消えにくくした昇華印刷、印字を裏から光らせることが出来るインサート成形。印字部分とキーキャップ部分を別々のプラスチックで作ることでキーキャップに穴が開かない限り消えることの無い二色成形の6種類があります。」
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/07/05(日) 19:35:40.101 ID:7vxKFnk20.net
大先生「プリント印刷とシルク印刷は印字の色が自由に選べる特徴があります。レーザー印刷は表面を焼く為、素材を変更しない限り色が変えられません。
表面にコーティングを施してから焼くことで色を変えることが出来ますが、コストが増してしまいます。昇華印刷は熱を使うことから、耐熱性のPBT樹脂を使用するため高コストになります。またPBT樹脂には耐摩耗もあります。インサート成形は光らせるので色は関係ないですね。二色成形は印字部分の金型が必要になるので複雑な文字に使えません。」
大先生「コストとしては安い順にプリント印刷>シルク印刷>レーザー印刷≧インサート成形>>昇華印刷>二色成形となります。プラスチックは酸化による黄変や耐摩耗の無いABS樹脂が安く、耐摩耗・耐熱性・黄変しないPBT樹脂が高価です。ABS樹脂は表面が削れてツルツルになりますが、PBT樹脂はしっとりとした触り心地です。」
大先生「一般的に普及しているキーボードにはPS/2、USB、無線の3種類が存在します。PS/2はキーボードとマウス専用のコネクタで、キーボード側が対応していれば全てのキーを同時に押しても入力されます。ホットプラグに非対応なので抜き差しが出来ないのが欠点です。USB接続では規格の仕様上最大で6キーまでなので、ゲーマー向けとして今でもPS/2は使われています。Nキーロールオーバーに対応しているモデルが同時押しが可能になっています。USB接続でもドライバを複数インストールすることで擬似的に全キー同時押しが可能なキーボードも存在します。無線接続は今では2.4GHz帯とBluetoothの2種類があり、Bluetoothモデルではペアリングと呼ばれ複数の機器を登録し切り替えることが出来ます。」
11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/07/05(日) 19:43:22.473 ID:7vxKFnk20.net
大先生「キーボードに付属するUSB→PS/2の変換コネクタは電圧の変化を感知して接続を切り替える仕組みになっており、対応していないキーボードでは使うことが出来ません。キーボードに付属していない場合は非対応だと思ってください。PS/2→USBに変換するコネクタが売られており、そちらはコネクタ側が変換しているので一般的なキーボードで使用可能です。どこまでが一般かはコネクタによります。USB→PS/2に変換する機器も存在はしますが、1万
円と高価な上に、変換したところで同時押しはUSBの6キーから増えないのでUSBの使えない環境以外ではオススメしません。」
PS/2→USB変換器
キーボード側が対応してないと使えないやつ
1万円するやつ
大先生「ここまで配列、特質、印字、端子について学びましたね。では実際にキーボードを選んでみましょう。」
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/07/05(日) 19:47:53.466 ID:7vxKFnk20.net
大先生「ちょっと打ってみたら、衝撃が走った。これが1,327円!?正気か!?即購入を決め、レジに持っていって今に至ります。」
ttps://www.youtube.com/watch?v=mN3HE3VyHec
おまいら「"これが2480円!?正気か!?"で有名なコピペですね。」
大先生「iBUFFALO BSKBC02BKFと言うモデルでSolidyearが製造しています。US配列はOEM元が製造しているACK-230があります。このキーボードの凄いことは千円台で独立スライダー、鉄板が使われたキーボードと言う点にあります。メンブレンシートの底にプレートを敷くことで安定性が増すことから、高価なメンブレンキーボードの多くが採用しています。耐久性に難ありで、半年での故障報告も上がっています。安い分燃え尽きるのも早いということでしょうか。汚れてくる頃には壊れて買い換えシーズンが来るのでバランスが取れて良い感じになっています。コスパを考慮してもこれ以上のキーボードは存在しません。」
BSKBC02BKF
BSKBC02BKF
ACK-230
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/07/05(日) 19:51:03.966 ID:7vxKFnk20.net
大先生「ACK-230が千円台ですが、次のモデルは4,500円と倍以上もの価格差があります。メンブレンキーボードは中間の価格層が無いのが欠点と言われ、千円だと思ったら次が4千円と笑うしかありません。」
大先生「かつてDHARMAPOINTが販売していたキーボードでビットフェローズ BFKB109UP1です。i-RocsのOEM?と言われているモデルで、i-RocsからUS配列も販売されています。PBT樹脂にレーザー印刷が使われ、コストを抑えつつキーキャップの耐久性を高めた仕様になっています。USBでの全キー同時押しに対応しており、スタビライザにはグリスが塗られていて底打ちを静かにする工夫も見られます。」
金属の棒がスタビライザ。大きなキーはこれが無いと押すときに引っかかる