嬉し泣き、男泣き、タマネギを刻んだとき...涙のワケは、悲しさゆえだとは限りません。
痛みから喜びまで、人間の感情は我々の体の一部である「目」によく表れます。
オランダ人写真家のMaurice Mikkersさんは最近、涙のクローズアップ写真を撮影するプロジェクトを決行しました。
写真家の顔を持つ一方で、衛生検査分析の資格を所持するMikkersさん。そもそも科学的に涙は3種類に分類されるということから考え始める必要があるといいます。基礎涙(Basal Tears)、反射涙(Reflex Tears)、そして感情涙(Emotional Tears / Psychic Tears)。
これらに違いはあるのだろうか? 科学者が言うには、どんな涙も粘度や構成要素が異なるそうだ。すべての涙は、油分や抗体、酵素成分などのさまざまな生物学的物質が塩水に浮遊している状態だ。しかしこれがどのように「現実の世界」での違いに繋がってくるのだろうか?
そこで彼が親しい友人に頼んだのは、とても泣かずにはいられない実験。タマネギのカットから始まり、扇風機の前で目をじっと開けていたり、唐辛子を食べたり...サンプルの涙を収集するためにあらゆる協力を得ながら実験が行なわれたようです。
Mikkers氏は、まず友人の涙のしずくを集め顕微鏡へ。しばらくして液体が結晶化するため、観察や比較が可能な状態になります。
顕微鏡を使って見られる涙の構造はほとんど塩の結晶ですが、涙は乾燥すると、それまでとは根本的に異なる形状が観察できるようになります。例えば2つの感情涙(Psychic tears)は同じ化学構造を持つものの、クローズアップすると非常に異なって見えてきます。
どういうことなのか、実際に写真をみていきましょうか。こちらがさまざまなシチュエーションで異なる人から採集された涙です。
タマネギを切ったあとに収集された反射涙(Reflex Tears)
意図的に泣いたときに収集された感情涙(Psychic Tears)
タマネギを切って唐辛子を食べたあとに収集された反射涙(Reflex Tears)
数分間、扇風機の前でじっと目を開けていたときに収集された基礎涙(Basal Tears
唐辛子を食べたあとに収集された反射涙(Reflex Tears)
小さな唐辛子を食べたあとに収集された反射涙(Reflex Tears)
まぶたにメンソールを塗ったあとに収集された反射涙(Reflex Tears)
タマネギを切って、目に唐辛子を入れて(!)、まぶたにメンソールを塗ったあとに収集された反射涙(Reflex Tears)
画像はすべてMaurice Mikkersさんのウェブサイトから許可を得て米Gizmodoが転載したものです。
Maurice Mikkersさんの作品は、Flickr、 Instagram、 Vimeo、 Behance 、 Twitterから閲覧できます。
Attila Nagy - GIZMODO US[原文]
(Rina Fukazu)