ジャーナリストの池上彰氏が5日、都内で行われたテレビ東京系『池上彰の教科書に載っていない 20世紀』(26日放送 後8:54)の収録前に取材に応じた。数々の番組で「戦争」について言及してきた池上氏は、改めてその“心構え”を明かした。
池上氏と同局が2010年から制作している『戦争を考えるSP』の第6弾となる同番組。今年は「終戦70年特別版」として、世界を大きく揺るがした歴史上の人物に注目。ドイツの独裁者アドルフ・ヒトラー、日本の外交官・松岡洋右、アメリカ大統領ジョン・F・ケネディらの“演説”にスポットライトを当てる。
テーマの選定には「なぜ第二次世界大戦が起きてしまったのか、振り返るのが大事なことじゃないか」と思いを語った池上氏。終戦70年の節目の年を迎え、「戦争を体験した人が非常に少なくなっている」と懸念する一方で「戦争体験者の証言を伝える最後のチャンスなのかもしれない」と使命感を燃やした。
ゴールデン帯という幅広い視聴層に向け、「戦争」というデリケートな話題に切り込む上で池上氏は「我々は、事実を事実として伝える」とジャーナリストとしての基本を語りつつ「一つひとつの事実が、当時どういう歴史的背景のもとに起きたのか、どんな意味があるのかを現代の観点からきちんと観ていく」と気を引き締めた。
「戦争の歴史には、さまざまな解釈がある」とした上で、池上氏は「私たちは客観的に解説するけれど、それをどのように受け止めるのか、どう教訓にするのかは、皆さんに委ねることになる。そういう視点で今回のテーマを取り上げた」と視聴者に呼びかけていた。