長野県安曇野市が6月から自治体への寄付制度「ふるさと納税」のお礼として市内に本社と工場がある電子機器メーカー「バイオ」の高性能ノートパソコンを採用したところ、わずか1カ月で前年度1年間の25倍もの寄付申し出があった。パネルに市制10周年記念ロゴと「made in azumino japan」と刻印が入る特別仕様で、人気を集めている。【近藤隆志】
バイオ社はソニーから分社して発足し、同市豊科に本社と開発製造拠点がある。
市は市制施行10周年に合わせ、6月にふるさと納税のお礼に20品目を追加。バイオ社製ノートパソコン「VAIO Z」が選べるようになった。寄付40万円で市場相当価格約24万円、寄付30万円の場合は同約19万円の機種が贈られる。寄付によって所得税と個人住民税が控除され、結果的にパソコンを市場価格より安く手に入れることができる。
市総務課によると、6月1日以降(7月2日現在)のふるさと納税(見込み)は773件1億2751万円。このうちパソコン2機種が約320件で、金額面では大半を占める。野菜、米など4品目だった2014年度は211件516万2000円にとどまっていた。
市は市議会6月定例会で成立した一般会計補正予算にお礼品購入費など1億2500万円を盛り込んだが、予想を上回る人気のため申し出がさらに増えるようなら追加補正を検討する。
市総務課の担当者は「安曇野市に興味を持ってもらいうれしい。これをきっかけに足を運び、市の良さを体感してほしい」。バイオ社広報も「本社を構える地元に協力できたうえ、製品のPRにもなる」と歓迎している。ふるさと納税のお礼品としては、同県飯山市が市内に工場があるマウスコンピューター製のノートパソコンや液晶ディスプレーなどを採用。同市によるとすぐに品切れになる人気ぶりだという。