中国メディアの家電網は4日、シャープが日本国内で3500人の希望退職者を募る計画であると伝え、中国の家電メーカーである海信集団(ハイセンス)や海爾集団(ハイアール)がシャープの希望退職者の採用を狙っているとの報道があると紹介した。
記事は、シャープが募集する3500人規模の希望退職について、45歳から59歳の社員が大半を占める見通しと伝え、「(シャープについて)液晶テレビの販売は好調ではないものの、その技術力は世界をリードしている」と指摘。さらに、ハイアールがシャープで空調事業にかかわっていた技術者の採用を計画していると伝えたほか、日本市場の開拓を狙うハイセンスも日本人技術者の採用を計画していると報じた。
一方で、日本では7月3日に不正競争防止法の改正案が可決し、成立したと伝え、「日本人の元社員が他国の企業に転職した際に、企業の営業秘密を持ち出すことを防ぐ狙いがある」、「他国の企業が日本企業から人材を引き抜こうとすることに対応した内容」などと紹介。改正案は2016年1月1日から施行されるとし、罰金の額が大きく引き上げられると報じた。
続けて、不正競争防止法が改正された背景には「典型的な事例がある」と伝え、韓国のSKハイニックスがフラッシュメモリー技術を不正に窃取したとして、東芝が14年3月にSKハイニックスを相手に民事訴訟を提起したことを紹介。
さらに記事は「どの国においても技術の流出という問題は起きている」と主張し、厳密に言えば企業は技術や営業秘密の流出を完全に阻止することはできないものだと主張した。さらに、長年勤めた社員が転職したとしても、その社員の頭のなかにある知識や技術的な情報、人脈を回収することは不可能だからだと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)