2日の東京市場は、午前を中心に円売りが優勢。前日の米経済指標が好調だったことや、5日の国民投票を控えてギリシャ関連の過度の悲観論が後退してきていることが背景。ドル円は朝方の123.10-20から前日高値を上抜けて一時123.46レベルへと高値を伸ばした。比較的小幅ではあるが着実な値動きだった。日経平均が200円超高で寄付き、その後も2万500円台を維持したことも下支え。クロス円も買いが優勢で、ユーロ円は136円台前半から昼にかけては136.60近辺へと上昇。ポンド円は192円台前半から192.70近辺へと買われた。豪ドル円は94円ちょうど付近から94.40台まで上昇したが、この日発表された5月豪貿易統計で赤字幅が予想を上回ったことで上値を抑えられている。午後に入ると円売りのモメンタムは一服、ドル円は123.30-40に落ち着いた。
ドル相場は前日からのドル買いが一服しているが、通貨ごとに値動きはまちまち。ユーロドルは1.1030近辺から1.1070台へと反発。ポンドドルは1.5600-20レベルで揉み合い。豪ドル/ドルは一時0.7630レベルに下値を小幅に広げたあとは、0.7640-50で推移している。円売りが目立ったほかは、全般に値動きは少なく、NY市場での米雇用統計待ちのムードが広がっている。
そのなかで、NZドルは軟調。NZドル/ドルは一時0.67割れとなり、2010年6月以来の安値水準となった。昨日のNY市場で主要輸出産品の乳製品の価格低下が報じられたことがNZドル売りの材料。中期的にもNZドルは弱い。4月高値の0.7745レベルからはこれで1000ポイント以上の大幅下落。直近のNZ中銀声明では、NZドルは過大評価されている、追加利下げが必要な可能性、などとしており、息の長い下落の背景には米国との政策スタンスの方向性の差があるようだ。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)