1日のNY外国為替市場は、2日の米雇用統計への期待感などからドル買いが優勢となった。
日本時間21時半に発表されたADP雇用者数が予想を上回る好結果。
その後、23時に発表されたISM製造業も全体が予想を上回った上に、
雇用部門がかなりの伸びを示したことで、ドル買いを誘う格好となった。
ISM直後の買いが一服した後は122円台に落とされるなど、調整売りの動きも見られたが、
2日の米雇用統計との相関が高い二つの指標の好結果で、
雇用統計本番も堅調な数字が出てくるとの期待感がドル買いを誘い、123円台を回復へ。
ギリシャ情勢は依然不透明。
ロンドン市場でチプラス・ギリシャ首相が債権団の提案の大筋を受け入れ国民投票を回避へとの見通しが広がっていたが、
NY市場で同首相は国民投票で「ノー」の投票をと呼びかけ、
国民投票の実施見通しが強まった。
もっとも、先週末にチプラス首相が国民投票を打ち出す前の調査では、
緊縮財政に反対する市民がかなりの多数派であったが、
ここに来ての世論調査では差が縮まるもしくは逆転するものとなっており、
事態は収拾に向かうとの期待感が広がった。
NZは酪農大手フォンテラが主催する牛乳の電子オークションが
前回比5.9%低下と8回連続でのマイナスを記録。
同国の主力産業である酪農業の厳しい情勢に、NZドル売りが入る場面が見られ、
対ドルで一時2010年6月以来約5年ぶりの安値圏に。
その後、ギリシャ情勢一服期待でのリスク回避のオセアニア通貨買いなどに、
オークション前の水準まで値を戻したが、
オセアニア勢の参加をにらんだNY午後に再び売りが強まり、安値圏での推移に。
(KLUGチーフストラテジスト山岡和雅)