やっぱり大丈夫…なのかな?
過去数ヶ月の間に、スティーブン・ホーキング氏を含めた世界的に著名な科学者や技術者達がこぞって、人工超知能は人類最大の脅威の1つだと指摘しています。しかし、オープンソースOSリナックスの祖、リーナス・トーバルズ氏は恐怖はバカバカしいと語りました。
彼の挙げる点には納得の行くものが多く、我々がこれから出会うのはスカイネットのような超知能ではなく、翻訳やスケジューリングを行う単目的AIだとしています。つまり、Google NowやSiriを豪華にしたような物で、デジタルな神だとか、人間に匹敵する知能ではないそうです。
スラッシュドットのコミュニティメンバーとのQAセッションにおいて、トーバルズ氏が考えるニューラルネットワークとAIの将来を説明しています。
人工知能はいずれやってくるだろうし、それはおそらくニューラルネットワークに非常に似たものになるでしょう。ただ、そういう種類のAIはトレーニングが必要なので、伝統的なコンピューターのような意味での信頼性に欠けるのです。人々がAIの下す判断を理解できた、規則通りのプロログ時代とは違います。もちろん、それによってより興味深い物にはなるのですが、同時に商品化が難しくもなります。という事はそういったニューラルネットワークに人々が出会う機会は限定的になるし、ネットワークのサイズ、インプットやアウトプットも限られた物になります。
なので、人間に似たものではなく、機能的に特化されてより高度なAIがやってくると思います。言語認識やパターン認識といった事ですね。皆さんの皿洗い機が突然サルトルについて議論を始めて、人類が実存的危機に陥る未来が私にはどうしても見えないのです。
コンピューターがとてつもない知能を得て、我々の望む全てを無限に作り出す事ができるとされるシンギュラリティ(技術的特異点)をAIが引き起こす可能性については? AIのおかげで、もしかしたら永遠の命を得られるかも知れない点についてもどうでしょう? グーグルのシンギュラリティ提唱者、レイ・カーツワイル氏ならとびつく話題ですが、トーバルズ氏は懐疑的です。
「シンギュラリティ」の出現? 私に言わせれば、三文SFの世界だね。終わりなき急激な成長? 彼らはどんな薬をやってるんだろうね、本当に。
相も変わらず、トーバルズ氏は飄々と世界に名だたる権威たちも笑い飛ばせるわけです。おかげでターミネーターの襲来に怯えずに今夜も眠れそうです。
source: TechWeek Europe and Slashdot
Annalee Newitz - Gizmodo US[原文]
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