NHK放送文化研究所が7月7日、「日本人とテレビ 2015」調査結果を発表した。これによると、1日のテレビ視聴時間について「30分~2時間」「ほとんど、まったく見ない」と答えた人の割合が、5年前と比較していずれも増加。「30分~2時間」という短時間視聴の割合が増えたのは、調査開始以来初めてだといい、ネット上でも話題になった。
「日本人とテレビ」調査は、1985年から5年ごとに実施している調査だ。これまでテレビ視聴時間は、調査を始めた1985年から前回の2010年まで長時間化の傾向だったという。ところが今回の調査で20~50代の幅広い年層で前回よりも「ほとんど、まったく見ない」人が増加。特に20代では8%→16%、30代では8%→13%と顕著に表れた。反対に「テレビを見るのが大好きだ」「話題になっている番組は見たいと思う」など、テレビに肯定的な印象を持つ人の割合が減少。一方でインターネットの接触頻度は増加するなど、改めて「テレビ離れ」が明らかになった。
ネットが普及して以来、娯楽が増えたことなどによる顕著な「テレビ離れ」は何度も指摘されてきた。だが、改めて数値として表れたことで、ツイッターには、
「くだらないタレントのグルメ番組やら、昔の焼き直しみたいな番組ばっかだしね。必要なニュース以外は見ないよ。テレビですら嘘流す時代だから」
と、テレビ番組の信頼性に疑問を感じている人の声や、
「テレビ離れは仕方ない…
など、情報の「早さ」や「多様性」、それをユーザー間で「共有」「議論」するといったネットのメリットを指摘する声が多数あがった。
今回の調査では、ネットならではの情報収集がもはや“当たり前”となっている現状が、改めて浮き彫りになった。次回5年後の調査は、奇しくも東京オリンピックが開催される2020年。はたしてその時、テレビの復権はあるだろうか?
※当記事は2015年07月10日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。