警視庁は6月16日までに入浴中の女子中学生姉妹を25回にわたって盗撮したとして、プログラマーの男(26)を住居侵入などの疑いで逮捕した。
今年4月、盗撮目的で東京都・世田谷区のアパートに侵入したところを現行犯逮捕されたこの男。その際に押収されたスマートフォンに残されていた動画から2014年8月以降、繰り返し盗撮した疑いが浮上した。
同じ窓から、同じ姉妹を25回にわたって盗撮していたとは、恐ろしいほどの執着だ。この男のスマートフォンからは電車内や風呂場で盗撮したと思われる10代の女性の動画が少なくとも10数本見つかっており、筋金入りの盗撮マニアだったことも窺える。また、自宅のパソコンで女性の特徴を記した表まで作っていたそうだ。
日本に「出歯亀」、欧米に「ピーピング・トム」という覗き犯を代表する言葉があるように、覗き行為に異常なほどの性的興奮を覚える男は昔から少なくなかった。
ちなみに半分死語と化しているこの「出歯亀」という言葉、元は明治時代の犯罪者、「出歯の亀吉」こと植木職人の池田亀太郎という人物に由来するとか。強姦殺人で逮捕された彼が、銭湯の覗き常習犯であったことで、当時の新聞報道は「出歯亀」という大見出しを何度も使ったという。そんな報道から「出っ歯の男が覗きをする」というイメージが生まれ、覗き犯=デバガメ、という言葉が生まれたらしい。
最近はスマートファンの普及や遠隔操作の小型カメラ……腕時計型や火災報知器型、置き時計型、はてはコンセント型など……の性能が高くなったことで、直接の覗きは減り、カメラ機器を介した覗きが増えているとか。
実際、この事件にかぎらず、盗撮によって逮捕される人間は後を絶たず、さまざまな盗撮事件が毎日のように紙面を賑わせている。今やいつどこで誰に覗かれているかわからない、なんとも厄介な時代になったものだ。
逮捕された男は調べに対して「仕事の悩みやストレスなどで、やめられなかった」と容疑を認めている模様。しかしそのはけ口にされてしまった被害者は、たまったものではない。