【ベルリン時事】ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の1995年に東部スレブレニツァで、イスラム教徒ら約8000人がセルビア人勢力に虐殺された事件から今月で20年となり、追悼式典が11日、現地で開かれた。出席した隣国セルビアのブチッチ首相が群衆から石を投げられるなど混乱が起き、両国の関係改善の難しさが改めて浮き彫りとなった。
AFP通信などによると、ブチッチ首相が慰霊碑で献花した際、投げ付けられた石が顔に当たり、地面に落ちた眼鏡が割れたという。首相は記者団に「友好を育みたいというわれわれの真摯(しんし)な意図が、一部の人に理解してもらえなかったのは残念だが、和解のための政策は続ける」と語った。
欧州連合(EU)加盟を目指すセルビアはボスニアとの協調を重んじている。ブチッチ首相は式典に合わせた声明で「(ボスニアでの虐殺という)おぞましい犯罪を明確に非難し、全ての関与者を裁きにかける」と強調していた。
式典にはクリントン元米大統領や遺族ら数万人が参列した。