NHN PlayArtは,現在サービス中のオンラインアクションRPG「
ドラゴンネスト」にて,2015年7月22日に新クラス
「マキナ」追加を含む大型アップデートを実施する。
サービス開始から5年が経過したドラゴンネストの2015年下半期のテーマは
“再始動”だ。本作はオンラインアクションRPGの代表タイトルとして一定の評価を得ているが,それに慢心することなく,次のステージを見据えて改変と進化を続けていくという。その一環として,7月15日に既存のバルナックとネルウィンのサーバー統合を行い,7月22日にはアップデートと同時に新サーバーをオープン。そして,夏に再び大型のアップデートが行われそうだ。
本稿では7月22日のアップデートの内容を中心にお伝えし,同時に2015年下半期の追加される予定の新要素についても紹介していく。今後のドラゴンネストにおいてどんな展開が行われるのかを想像しつつ読み進めてみてほしい。
物理攻撃を駆使して戦うタンク役「マキナ」は
派生攻撃が豊富なテクニカルクラス
新キャラクターのマキナは,ケモ耳としっぽが特徴的な可愛らしい獣人族で,口は悪いが実は思いやりがあるというツンデレタイプの女の子だ。外見的な特徴である右手の大きな義手がマキナの武器
“ナックルギア”で,これをブンブン振り回して豪快に戦うことになる。
ちなみに,ケモ耳はキャラクター作成時に3パターンから選択できる(髪型ごと切り替える)。
ストーリー背景としては,マキナが住んでいた獣人の村に隕石が落ちて,家族が亡くなってしまい,隕石に含まれる汚染物質によりマキナ本人も苦んでいるという設定だ。右手は,レベル60のネストでボスキャラとして登場するプロフェッサーKにより,治療と称した実験で機械化されてしまったようだ。
転職ラインは,基本クラスのマキナから1次転職で「パトロナ」になり,2次転職で「ルイーナ」か「ガルディアナ」のどちらか一方を選択することになる。既存のクラスは,1次転職の次点で分岐して3次職が4種類あるのだが,レンシアとマキナだけ例外的に3次職が2種類しかない。
キャラクターの特性としては,無属性物理攻撃を得意とするタンク役といった立ち位置で,2次職のパトロナから本領を発揮することになる。タンクというとクレリックの上位職であるガーディアンを真っ先に思い浮かべる人が多いと思うが,ガーディアンよりもアクティブに動き回り,スキルを駆使して敵の攻撃を受け流しながら戦うテクニカルなクラスに仕上がっている。
また,最近のドラゴンネストで多く導入されている,戦闘中にポイントを溜めてスキルを起動するシステムも取り入れられており,マキナの場合は
“スチーム”を溜めていくことになる。
スキル派生のパターンが多く,マキナの真価を発揮させようとすると,敵の状態を確認して派生を変えながら戦う必要があるため,操作難度が跳ね上がる。ある程度ドラゴンネストをプレイした経験のある上級者向けのクラスといったところだろうか。
しかし,スキル単体や簡単に出せる連携攻撃だけでも十分に戦えるため,初心者でも徐々に慣れていきながらプレイするというのもアリだろう。
実際,小一時間ほどマキナを触らせてもらったが,長距離を移動するスキルも多く,敵を中心に捉えつつスキルの派生を変えるのはかなり難しく感じた。ただ,攻防ともに秀逸なスキルが揃っているので,正確な状況判断とキー操作ができれば万能な働きができるだろう。そういった意味では,クラスの性能をとことん研究し極めていくことに面白さを見出すタイプのプレイヤーに好まれそうな印象だ。
続いて,スキルについて解説していこう。全体的にパッシブスキルの比率が高いマキナにおいて,攻撃面で重要となるのが,ギアステップに分類される技(フットストンプ/ステップアップ/ロックアウェイの3種)だ。ギアステップはどれも始動技となっていて,ここから次のスキルに派生することができる。
例えばフットストンプ系列なら,フットストンプ→フローアップorフロースルーといった具合で,派生の際は通常攻撃/特殊攻撃/ジャンプのいずれかのキーを押すことになるので,まずは派生の法則を覚える必要がある。
パトロナで覚えられるダッキングというスキルも重要で,別の技からダッキングに派生し,さらにそこからギアステップにつなげていくことも可能になっている。この場合,ダッキングはコマンド強化スキルとして威力が上昇するという効果もあるのだ。
ダッキング自体はパッシブスキル扱いとなっており,要所においてジャンプキー操作などで発動する。技名のイメージだと後退しそうな感じだが,実際のモーションは前に突っ込む形となり,攻撃回避が可能になる。
あとは,ほかのクラスではあまり使われない通常攻撃も強力で,四段目をチャージして別のスキルに派生させたりもできたりする。
また,マキナはアクションを起こすことでスチームを蓄積できるが,このスチームを開放することで戦闘能力を大幅に上昇させられるのも特徴だ。オーバーフローというスキルによって,全体HPの回復も同時に行える。
パーティシナジーとしては,
オーバーハウル:防御力の一定比率分の物理攻撃力上昇
ビヨンドザウォール
:1人にバリア
マンツーマン
:パーティメンバーへのダメージを代わりに受ける
エアーシャビング
:攻撃を防御し,成功時にヒールエリア生成
などがあり,ギアステップで延々と攻め続けるかたわらで適切なパーティサポートが行えるといった感じになっている。パーティプレイにおいても存在感のあるクラスといえそうだ。
●3次職:ルイーナ
3次職のルイーナは,攻撃面に特化したクラスとなっており体術を自在に操り,敵を駆逐していく。パーティへの支援はパトロナで覚えるスキルだけになってしまうが,爆発力のある攻撃スキルで敵を圧倒できるのが強みだ。
ギアステップのなかでは,フットストンプとロックアウェイの2種から派生するスキルの強化が行われ,さらにオーバードライブにより,ギアステップ中のスーパーアーマーが大幅に上昇する。フットストンプの派生の終わりにダッキングをはさんで,さらにロックアウェイにつなぐこともできるので,スチーム開放による自己強化と合わせることで,止まることなく怒涛の攻撃が体現できる。ただ,直進系のスキルが多く,取り回しには少し手こずるかもしれない。
●3次職:ガルディアナ
もう一つの3次職ガルディアナは,防御に特化したタイプで,味方を守りつつ強力なピンポイント攻撃で敵を黙らせる。どんな状況でも状態異常を解除し,解除後一瞬だけ無敵状態になるリペアというスキルを所持している。
空中で敵の攻撃をガードするエアーシャビングが強化されているため,切り返し能力に優れ,バトルを自分のペースで進められる。パーティプレイでも頼れる盾役として活躍できるだろう。エアージャビングはクールタイムなしで出せるので,ガルディアナの最重要スキルとなるだろう。この技は地上でも出せるのだが,一度ジャンプするため出が遅く,先読みが必須という玄人向けの仕様になっている。
ガルディアナのスキルで面白い効果を持っているのがビヨンドザウォールだ。これは敵もしくは味方をキャッチするような動きのある範囲スキルで,敵をつかめばデバフ効果,味方をつかめばバフ効果を与えることができる。また,スキルの振り方によっては,敵を挑発する効果があるタウンティングブローのクールタイムを縮めることができ,攻撃を行いつつもタンカーとしての役割をきっちりと果たすことができるはずだ。
ギアステップのなかで強化されるのは,ステップアップからの派生で,こちらは空中に敵を打ち上げて追撃を行うようなモーションになっている。ガード技のエアーシャビングがクールタイムなしでいつでも使えるので,攻撃中危険を感じたらすぐさま防御を固めるようにすると安定した戦いが行えそうだ。
レベルアップ環境の改善が行われ,よりキャラクターを育成する環境が整えられる
今回のアップデートでは,マキナの実装とあわせて「レベルアップ環境の改善」も行われる。具体的には,レベル1からカンストとなるレベル80までの必要経験値が減少し,レベルアップ環境のステージでモンスター討伐時やクリア時,メインクエストの報酬経験値が増加する。必要経験値だけ見ると,3分の2から半分程度まで引き下げられており,カンストレベルまでの道程がぐっと縮まることになる。
また,スムーズにレベリングが行えるよう,ステージ構成や装備品のドロップなども見直される。
ステージ構成は,難度が序盤はノーマルのみ,中盤はノーマルとマスター,終盤のセントヘイブン東側の一部のステージのみノーマル/マスター/アビスまであるといった具合に簡略化される。プレイを始めて間もないプレイヤーだと,すべての難度をクリアしてから次のステージに進めるのか,メインクエストを中心に最低限クリアして先に進めるのか迷う部分ではあったが,きっちりとレールが敷かれ,その通りに進んでいけばレベルも自然に上がっていく形だ。より簡単に楽しくプレイしたいならノーマル,緊張感があるバトルをしたいならマスター,カンストしてより良い装備がほしいならアビスというようにスッキリと分かりやすい難度構成になるのだ。
レベルが上がりやすくなると,武具の入手が追いつかないのでは? と思う人もいるだろうが,新規装備アイテムが導入され,ドロップアイテムとして入手できる装備が自分のクラスのものだけにするという修正で対応されるという。
新規装備についてより詳しく解説しておくと,まず装備の基本能力が既存のものより高く設定され,さらにメインウェポンが種類に関係なく均一の性能となり,防具はクラスに関係なくすべてのクラスのキャラクターが装備可能になる。
初期装備以降は,ステージで新規レア装備アイテムを入手し,これを着用して戦うことになるが,このレア装備は,トレードと強化ができない装備品となっている。といっても,レア装備は基本性能が既存のレア装備より高いので,入手して即実戦で活用できるだろう。
エピック級アイテムに関しても新規装備となり,選択金箱またはステージのボスから入手できる。こちらはトレードと強化が可能だ。特徴は,既存装備よりも高い性能を持つ半面,強化時の上昇能力値が低く設定されていること。また,既存エピック装備よりも強化成功率が高く,レベルアップ環境の低レベルエピックアイテムは必要宝玉数が少なくて済む。
ドラゴンネストは,カンストレベル帯にコンテンツが集中していることから,レベリングがしやすいような環境が整えられるのは喜ばしいことだろう。なお,上記のような簡略化はレベルアップ環境内が対象となっていて,カンストレベル帯でのアビス難度で装備を整えてネストに向けた準備を行うという流れに大きな変化はなさそうだ。
続いて,マキナとレベルアップ環境の改善以外の追加要素についてみていこう。まず,師弟レベル別の報酬が以下のように変更される。
料理熟練度経験値の習得量が上方修正される。あまりにも多くの経験値が要求され,伝説級料理作成への道が険しかったが,この修正で料理人が増える……かもしれない。生産所要時間が8秒から3秒に短縮されるのも地味にありがたいところ。
そのほか,細かいところでは,Mキーで表示されるマップ上で不必要なNPCを表示しない機能が追加やステージ入場可能難度変更に合わせてミッションが整理される,称号コレクションブックの最適化,ユニーク/レジェンドウロコのスタック数が100個に変更されるといった修正も行われる。
2015年下半期は数々の新規コンテンツが追加される予定
7月22日に上で述べたような新クラスの追加やレベルアップ環境と装備の簡略化が行われるが,8月にもアップデートが予定されているという。
詳しくは後日公式サイトにて発表があるというが,レベルキャップの開放や2種類のネスト追加という大規模なものになるようだ。 9月以降にも,新規コンテンツの追加を含むアップデートが行われるとのことで,サーヴァントキャラクターをお使いに行かせて報酬を得るようなサブコンテンツ「サーヴァントダンジョン冒険」,カンストレベル帯で挑む「挑戦モードステージ」,完全新規のネスト,「無限の戦場(Free For All PvP)」という新しいPvPモード,「竜珠強化システム」,カンスト以降の成長要素となる「勇者レベル」,どこまで到達できるか自己の限界に挑戦する「無限の塔」,モンスターに変身できる魔物封紙を使った新コンテンツ「魔物封紙バトル」など,そのラインナップを見ただけでも“再始動”へかける意気込みが伝わってくるだろう。
詳しい日程や内容については,8月頃に大々的な発表会を開催することも検討してるということだったので,気になる人は公式サイトをマメにチェックしてもらいたい。