東京都の広域交通ネットワーク計画、蒲蒲線や羽田アクセス線など収支に課題 | ニコニコニュース

画像提供:マイナビニュース
マイナビニュース

東京都都市整備局は7月10日、「世界一の都市・東京」の実現を目指した「東京都長期ビジョン」における広域交通ネットワーク計画について、2015年度の交通政策審議会答申に向けた検討のまとめを公表。空港アクセスに関する路線については複数の路線が計画されているため、各路線の整備効果や同時に整備された場合の影響など、比較検討を実施した。

新空港線「蒲蒲線」は、東急線沿線の区部西部から神奈川県方面、東急東横線と相互直通運転を行う東京メトロ副都心線、東武東上線、西武池袋線の沿線で時間短縮便益が広がる。なお、本路線は事業主体および事業スキームについての検討や、京急空港線への乗り入れなどの技術的な課題についても検討が必要となっている。加えて、加算運賃による利用者負担を前提としている。

JR東日本羽田アクセス線は、JR埼京線、高崎線、宇都宮線、常磐線などの既存の鉄道ネットワークと接続することで、都内に限らず広範囲に時間短縮便益が及ぶ。なお、本路線は事業費や事業計画の深度化が必要であるほか、事業スキーム等が未定であることから、関係機関による十分な調整が必要であるとしている。

都心直結線は、羽田空港へは区部東部から千葉県・埼玉県方面、成田空港へは区部南部から神奈川県方面に便益が広がり、両空港へのアクセスの利便性は、首都圏全体で高まることが期待される。なお、本路線は多額の事業費を要し、事業主体や事業手法の検討が必要であるほか、運行計画など事業計画上の課題があり、関係者間での検討が必要であるとしている。

複数路線の整備としては、JR東日本羽田アクセス線と新空港線「蒲蒲線」を整備した場合、空港アクセス旅客の需要が競合することから、同検討における試算では新空港線「蒲蒲線」の収支採算性の確保に課題があるとしている。また、JR東日本羽田アクセス線と都心直結線を整備した場合も同様に、同検討における試算では両路線の収支採算性の確保に課題があるとの結果になった。

新空港線など空港アクセスについては、関係機関の検討状況や羽田空港の機能強化に向けた取組等を踏まえて、引き続き検討を行っていく。