【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)のユーロ圏19カ国は12日、ギリシャへの金融支援の是非を協議するため、首脳会議を開催した。EUは支援問題決着の「最終期限」を同日に設定しているが、各国の意見は依然割れたまま。6月末で支援を打ち切られ、資金繰りに窮するギリシャにユーロ圏離脱の危機が迫る中、EUはぎりぎりの調整を続けている。ただ、EU筋によると、ユーロ圏の判断は13日以降にずれ込む可能性もある。
ドイツのメルケル首相は首脳会議を前に「どんな犠牲を払ってでも合意を望むわけではない」と述べ、支援に慎重な姿勢を改めて強調した。一方、ギリシャのチプラス首相は「譲歩の用意はある。すべての当事者が望めば、合意は今夜成立する」と述べ、決断を迫った。
ユーロ圏は11日に財務相会合を開いたが、支援に前向きなフランスと慎重なドイツが対立。議論は紛糾し、12日に再協議を行った。会合後、デイセルブルム議長は「大きな問題が残っている」と述べ、議論の結果を首脳らに報告した上で、判断を委ねる方針を明らかにした。
EU筋によれば、ドイツはギリシャが改革を実行できるか不信感を募らせ、ギリシャに対して週明けにも改革関連法案の議会可決を求める声が財務相会合で上がった。フィンランドも強硬姿勢を崩していない。
欧州メディアは、ギリシャがさらなる改革に応じなければ、ユーロ圏からの一時的な離脱を要求するとの内部文書をドイツがまとめたと伝えた。
これに対し、オランド仏大統領は「一時的なユーロ圏離脱などない」と強く否定。イタリアのレンツィ首相もメルケル独首相に支援合意を迫る意向を表明した。首脳会議は、支援支持派と慎重派のせめぎ合いとなりそうだ。