中国国営通信社の新華社は11日、過去10年間にわたって2桁台中国自動車市場の成長率が鈍化しつつあると伝え、「2015年の成長率は3%まで落ち込む見通し」と報じた。
記事は、中国汽車工業協会の発表として、15年上半期(1-6月)における自動車の生産台数は前年同期比2.6%増の1209万5000台、販売台数は同1.4%増の1185万300台にとどまったと紹介し、15年通年の販売台数の伸びは前年比3%増にとどまる可能性があるとした。
さらに、中国自動車市場では過去に、前年比24%増の成長率を記録したこともあったと指摘し、「3%まで減速する見通しであるということは、中国自動車市場の成長が『微増』の時代を迎えたことを意味する」と論じた。
また、中国における自動車工業の一大拠点である吉林省長春市でこのほど行われた「国際汽車博覧会」では、展覧会会場において「自動車の値下げ販売のビラがあらゆる場所にあった」と指摘し、「自動車市場はあまりに不景気で、在庫圧力が強まっている」と話す自動車ディーラーもいると伝えた。
中国汽車流通協会によると、15年6月の自動車在庫指数は前月比7.3ポイント上昇の64.6ポイントに達したと言う。記事は、自動車の在庫量はすでに警戒水準を超えており、「需要が減退しており、ディーラーの在庫および経営に対する圧力が強まり続けていることを示す数字」との見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)