電気グルーヴの軌跡を追ったドキュメンタリー映画「DENKI GROOVE THE MOVIE? ~石野卓球とピエール瀧~」が、今年12月に全国公開される。
2月に電気グルーヴのシングル「Fallin' Down」がリリースされた際、初回限定盤付属DVDに収められたトレイラー映像で大根仁監督による彼らの“映像作品化”が告知され、大きな話題を呼んでいた。今回正式に映画化およびタイトル、公開スケジュールや作品の内容が発表となった。
大根は「モテキ」「恋の渦」「バクマン。」などの映画で監督を務めてきたが、ドキュメンタリー映画を手がけるのは今回が初。石野卓球とピエール瀧からのオファーを受けての監督就任となったが、大根は「電気グルーヴのヒストリーを2時間やそこらでまとめることなんかできるわけないじゃないですか!!!」「最近会った卓球さんは『頼んだ覚えはない』、瀧さんには『まかせる。出来上がりを観て文句を言う』と…。誰かこの仕事代わって!!!」と、悲鳴に近いコメントを寄せている。
今回の映画は本邦初公開となる結成後初のライブの模様や過去のさまざまな記録映像、メンバー本人や縁の深いアーティスト、スタッフ、業界関係者のインタビューなどで構成される。砂原良徳、CMJK、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、スチャラダパー、山口一郎(サカナクション)、小山田圭吾、DJ TASAKAなどの豪華アーティストたちが、電気グルーヴにまつわる貴重な証言を繰り広げる。
昨日7月13日に東京・LIQUIDROOMにて行われた電気グルーヴのワンマンライブ「LIQUIDROOM 11th ANNIVERSARY」では、アンコール終了後に映画の予告映像を上映。スクリーンに過去の貴重なライブ映像やアーティストたちの証言が流れるたび、フロアからは驚きの声や爆笑が起こっていた。
電気グルーヴ(石野卓球、ピエール瀧) / 天久聖一 / Andi Absolon(元ヨーロッパブッキング エージェント) / ANI (スチャダラパー) / Bose(スチャダラパー) / CMJK / DJ TASAKA / 日高正博(株式会社スマッシュ代表取締役) / ケラリーノ・サンドロヴィッチ / 道下善之(株式会社ソニー・ミュージックアーティスツ) / 中山道彦(株式会社ソニー・ミュージックアーティスツ代表取締役) / 小山田圭吾 / SHINCO(スチャダラパー) / 砂原良徳 / 山口一郎(サカナクション) / 山根克巳(LIQUIDROOM) / 山崎洋一郎(「ROCKIN'ON JAPAN」総編集長) / Westbam
いちばん面白くて、いちばん狂っていて、いちばんカッコ良い先輩たちは、同時にいちばん近づきたくない、すなわちいちばん仕事をしたくない存在でした。
昨年春、この映画の企画をマネージャー道下氏に告げられたとき、それは赤紙招集のような、恐怖新聞が届いたような気持ちでした。道下氏もそれを気遣ったのか、高級鰻店をセッティングしてくれたのですが、せっかくの鰻もマムシの蒲焼きにしか思えませんでした。「オレが断ったらどうなりますか?」「んー、まあ誰か別の監督にお願いすると思いますが…二人から挙がったのが大根さんの名前だったんですよ」「…」電気グルーヴ過去25年の映像をエディット&ディレクションする。過去、それなりに難易度の高いミッションをこなしてきた自負はありましたが、いちばんカッコ良い先輩たちが、怖い批評家であることも知っているオレは、この仕事に確実に「地獄」を予感しました。サブカル世代の合い言葉である【でもやるんだよ!】で乗り切れる仕事でもないことも。今、出来上がった作品を見て思うことは…っていうか、まだ出来上がっていません!! 昨年のフジロックフェスティバルから撮影を始めて、過去25年分の膨大な映像素材(250時間、5テラ!!!)をチェック&チョイスして、本格的な編集をスタートさせたのが桜咲く頃でしたが、電気グルーヴのヒストリーを2時間やそこらでまとめることなんかできるわけないじゃないですか!!! というわけで、当初「夏公開」の予定が「冬公開」ということになってしまいました…。さらに最近会った卓球さんは「頼んだ覚えはない」、瀧さんには「まかせる。出来上がりを観て文句を言う」と…。誰かこの仕事代わって!!!