デンマークにはロスキレ・フェスティバルというヨーロッパ最古の音楽フェスがあります。そしてこちらのフェスが参加者の尿を使ってビールを作る企画を立ち上げたんです。
こういう言い方するとすごく気持ち悪い話に聞こえますがそうでもありません。
というのも、別に尿の水分を使ってビールを醸造するということではないんです。オシッコ自体を飲むわけではなく、フェスで集められた参加者の尿が近くの農場で肥料として使われるということなんです。デンマークの農業食糧委員会の協力のもと、尿はタンクに貯められビールを原料となる麦の栽培に活用されます。その麦から次のフェスで出されるビールができるということ。
このビールのためのリサイクル、名付けて「ビアクリング」は排泄物に対する私たちのアプローチを変えることに目的があります。何かの負担ではなく価値のある資源として捉えるのです。
とDAFCのリーフニールセンさんは言います。
フェステティバルで参加者が出す尿の量は私たちが考える以上に多いようで、ロスキレの環境と下水施設に悪影響を与えているとのこと。確かにフェスに行くと皆たくさんビール飲みますよね。出るものも出るはずです。ビアクリングによってこの大量の尿が資源となります。
なーんだオシッコから直接ビールを作るんじゃないのか、とガッカリした皆さんは是非オレゴン州に行ってみてください。というのもオレゴン州のポートランドには、本当に尿そのものをビールにしようとしている下水処理施設があるんです。肥料として使うんじゃなくて、尿を浄化してそれからビールを作るんです。
干ばつのせいでトイレの水を飲むかもという話はありますが、尿も浄化して美味しいビールになります、というのはスゴいですね。。。実は現時点ではこれは違法なんですが、環境を真面目に考えるポートランドのことだからもしかしたら実現するかもですね。
自分が出した尿が来年自分が飲むビールの肥料となる。自然の偉大さを感じますね!
source: Danish Agriculture and Food Council
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)