2006年に打ち上げて以来、およそ9年間にわたって宇宙空間を進んでいたNASAの深宇宙探査機「ニュー・ホライズンズ(New Horizons)」が、本日夜に冥王星へ最接近します。
冥王星は、地球からおよそ 太陽系が誕生した当時の状態を維持していると考えられている「エッジワース・カイパーベルト(Edgeworth-Kuiper Belt Object, EKBO)」の中で最大の星です。1930年に発見されて以来、長年にわたって観測が続けられていましたが、遠いことから星自体の大きさや地表の状態について詳しいことは分かっていませんでした。
2003年、NASAは、冥王星 および太陽系外縁部の詳しい調査を行う目的でニュー・ホライズンズの開発計画を正式にスタート。およそ3年間にわたる開発の後、2006年にケープカナベラル基地から打ち上げられました(ちなみに、2003年にはスペースシャトルコロンビア号が爆発し、2006年には冥王星が惑星から準惑星へ変更されています)。
現在、同探査機は冥王星に向かっておよそ時速6万km/hで進んでおり、日本時間の14日20:50ごろに冥王星から約1万3,700km離れた位置を通過する予定。これに先立ち、13日には最新の観測データも公開され、冥王星の直径が約2,370km、第一衛星であるカロンの直径は1,208kmであることが判明しています。
▼地球と冥王星、カロンの大きさを比較した模式図。
東部夏時間の午後7:49(日本時間8:49)ごろに冥王星から13,700kmの位置を通過(フライバイ)する予定。その後は、8月にかけて探査を行い、その後は太陽系外に向かって航行を続けてゆくことになります。