農薬いらず、水は95%カット、土地も節約、これまでの75倍も効率が良い野菜の育て方はじめちゃいます。
アメリカのニュージャージー州にはニューアークという、犯罪率の高さやスラム街という残念な理由で有名な地域があるんですが、そこに画期的な工場が誕生することになりました。
その工場は完全室内の野菜ファームで、縦に階層式になっています。完成した際には年間1000トンのレタス、ケール、アルグラを生産し、何十万人もの人に食料を供給することになるそうです。
ニューアークという地域はもともと多くの鉄道が通っていたことから金属産業が栄えていたのですが、今ではその元工場や倉庫は様々な新しい目的のために改築されてきています。この野菜工場もそのうちの一つで、つい先日着工されました。完成したら面積は6400平方メートルという、世界最大の室内・縦型の農場となる予定です。
この農場のテクノロジーはAeroFarmsという会社によるもので、高いタワーに空中栽培用のトレイが並び、LEDライトで照らされてハーブや野菜が育てられることになります。AeroFarmsによると農場と比べて面積あたりの効率は75倍にもなるそうです。室内なのでもちろん農薬は使いません。
おそらく一番のメリットは水の節約。AeroFarmはこの方法だと95%水を節約できるそうです。今カリフォルニア州で起きている深刻な干ばつもあいまって、この工場の技術が注目されているわけですね。食料を生産するのにどうしても問題になるのが水なので、これは画期的です。
工場は段階的にオープンしていく予定で、最初のパートは2015年の10月に完成予定。本当に発表している通りの効率性が実現されるかはその時が来るまで分かりませんが、もし本当なら他の都市にとっても素晴らしい前例となりますね。使われなくなった工場や倉庫の再利用としてだけでなく、水を極力つかわずに食料を供給できる方法としても画期的なわけです。電気代がちょっと気になりますが、上手くいって欲しいなぁ...。
Image by AeroFarms
Alissa Walker - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)