ロボットだからって、何でも防げるわけじゃないんだからね!
テスト走行中のグーグルの自動運転車ですが、実は軽い衝突事故には何度もあっています。でもこれらの事故、コンピューターのプログラムミスや、設計ミスが原因ではないんです。
なぜグーグルの自動運転車が事故に遭うかというと、まぁご察しの通り、周りの車を運転している人間がミスをするからです。
一番最近の事故は7月1日に起きたもので、そこでは交差点で停止していたグーグルの自動運転車に後ろから車が追突してきたとのこと。
んーでもこれって本当に人間のミスなの?って思っちゃいますよね。そんなあなたも事故の様子を見られるんです。というのも、グーグルはこれまで起きたすべての事故の情報を公開していまして、今回の事故もどのように起きたか見られるビデオが公開されています。
AP通信によると、自動走行の車が巻き込まれた事故で怪我人が出たのは今回が初めてだそうです。
グーグルの自動運転車に乗車していた3人の従業員が軽いムチウチ症を負ったようですが、既に病院で診察され、仕事にも復帰しているようです。衝突したほうの車の運転手も首と背中の痛みを訴えています。
グーグルの自動運転車はテスト走行を始めて以来、十数件の事故に巻き込まれています。しかしグーグルの車が原因であるケースは一つもないとのこと。グーグルのクリス・アームソンはこの事故をうけて、いかに一般人の運転する車がミスを犯しやすいか、そしてそれと比較していかにグーグルの車が信頼できるかを語っています。
この上のビデオを見ていただくと分かるように、私たちのブレーキ・システムは通常通りで、自然なものでした。そして私たちの車の後ろにいた車は十分な停止距離を持っていたんです。しかし減速をしませんでした。これは明らかに、後続車の運転手が注意不足で、道路を見ていたなかったかが分かりますね。
以前からグーグルは、人間はミスを犯すんですよー、だからミスを犯さないAIによる自動走行車だけが道路を走ったほうがいいんですよー、というユートピア的な将来像を語ってきたわけです。もちろん、これって大事なセールスポイントです。でもこんなこと言われると自動走行車について不安にもなりますよね。
というのも、運転は危ないのはよく分かるんです。それも人間があまり運転が上手くないのが原因だってのも皆さんよく分かってるわけです。でも誰がどう考えてもあと数十年は自動走行車は人間が運転する車と一緒に道路を走らないといけないですよね。なので人間の犯すミスをセールスポイントにするよりは、グーグルの車がそのミスにどう対応するのか、を説明してくれた方が有難いなーと思います。
人間は運転が上手くない!というアームソン氏の説明は間違ってないんですけど、人間が引き起こす事故に巻き込まれちゃったら、グーグルの車だって同じ被害を受けちゃうよね、という点の方が印象に残っちゃった気がするんですよね。
Kate Knibbs - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)