人間より賢いかも...。
英ハートフォードシャー大学の天文学者と計算機科学者たちが、宇宙の画像から銀河の形態を分類できる人工知能を開発しました。なんとこの人工知能、教師なし学習という手法を用いることで、人間の補助なく自ら学習して、銀河を分類できるようになったそうです。例えば、上にハッブル望遠鏡が撮影した宇宙の画像がありますが、今回開発された人工知能はこの画像から、楕円銀河(黄色の点)や星形成中の渦巻銀河(青色の点)を分類することができます。
画像に写っているものを認識し、分類するという手法自体は新しいことではありません。しかし、コンピューターが自ら銀河の形態を学習し分類できるようになったのは、今回が初めてです。これまで銀河の分類は、Galaxy Zooといったプロジェクトのように、人間がボランティアで行ってきましたが、この人工知能のおかげで機械的に高速で行えるようになります。
研究者のひとりであるJim Reachさんが、米Gizmodoの取材に答えてくれました。「我々が開発した人工知能の重要な点は、『教師なし』であること、つまり人工知能には正しい答えを教えず、画像をどうやって見るのかということについて、基本的なルールだけを教えたということです」
また、この人工知能は人間よりも優れた眼を持っているかもしれないそうです。そのため、自動運転やセキュリティーチェック、病気の診断といった、他の領域にもこの人工知能を応用するために協力者を探しています。
今後の応用に関して、Jimさんは次のように述べています。「超音波や顕微鏡、CTスキャン、MRIといった、人間がパターンを探しているいろんなデータに応用できる可能性があります。この人工知能がすごいのは、人間では見逃してしまうようなわずかな特徴さえも見つけ出してくれるだろう点です。また、人工知能が学習している間は、継続的に知識を蓄えていくので、特徴を発見する精度が高くなっていきます」
自分で学習するとは... 人工知能が人間を追い越すのはそう遠くないのかも。
image by Royal Astronomical Society
Bryan Lufkin - Gizmodo US[原文]
(谷垣友喜)