冥王星の月、ニックスとハイドラもヨロシクね!
冥王星の側に浮かぶニックスとハイドラはこれまで小さな光の点にしか見えなかったわけですが、今回のニューホライズンズのおかげでちゃんと月としての姿が見えてきました。
NASAが今回公表した最新の画像は前回のものよりも鮮明にその姿が見えます。ニックスは赤っぽい光を帯びていて、ハイドラにはクレーターがあるということがこれから分かりますね。ニックスさんも結構ゴツゴツしてますねー。
この左側の画像はニューホライズンズのラルフと呼ばれる装備によって、16万kmほど離れたところから撮られたものですが、ニックスをカラーで捉えた史上初の写真となります。この画像はカラー調整されているということで、ニックスの赤みがかかった部分がすごくよく分かりますね。こちらの月は縦41km、横35kmの大きさしかないとのこと。NASAは次のように発表しています。
画像だとニックスの全体的な表面の色はニュートラルな灰色になっていますが、今回新しく発見された部位は赤みがハッキリとかかっています。グルッとした円のような模様が少し見えることから、科学者たちはこの赤い部位がクレーターではないかと推測しています。
また今回のミッションにも参加者しているコロラドのサウスウェスト・リサーチ・インスティトゥート所属の科学者カーリー・ハウイットさんは「星の構成に関する追加データはすでに取ってありますが、まだダウンリンクされていません。このデータによってこの部位が周りよりもなぜ赤いのかが分かるでしょう。この観察結果はあまりにも興味深いので、ニックスのデータがダウンリンクされるのが待ちきれません」と述べています。
ニックスだけではありません、23万km離れた地点から撮影されたハイドラの画像も実に面白い複雑さを見せているようです。ハイドラの表面には少なくとも2つの大きなクレーターが存在し、また上半分と下半分で若干明るみが違うみたいです。下に行くにつれて岩石っぽい構成から氷が多く含まれる構成に変わっているため、上の方が若干暗い色になってるのでは、ということです。ほぇー…。
ミッションに参加しているテッド・ストリックさんは「先週まではハイドラは微かな光の点だったんだけど、初めてその形が分かって、地表の特徴も分かってきてる。こうやってちゃんとした場所として捉えるようになったってのはなんだか変な感じがする」と言っています。
しかし忘れてはいけません。これらはほんの始まりにか過ぎないんです。ここまで得たデータはニューホライズンズが手にいれたデータ全体からするとほんの2%にしか過ぎないということ。残りを全部集めるにはまだ16カ月かかります。
16カ月って地味に長くて待つのがツラいですが、太陽系のダイアルアップ接続はすごく遅いので仕方ないですね。
source: NASA
Maddie Stone - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)