日本マイクロソフトは2015年7月29日、最新OS「Windows 10」の製品版の配布を開始した(写真)。製品版のビルド番号は「10240」(10.0.10240)。開発者やITエンジニアなどが参加する「Windows Insider Program」を通じて7月15日(米国時間)に提供を始めたプレビュー版(Insider Preview)と同じビルド番号だ。つまり、ビルド10240に細かな修正やセキュリティ更新を加えたものが、製品版として提供されているもようだ。
ビルド10240は、プレビュー版として提供されていたものの、デスクトップ画面右下に表示されていた「Insider Preview」の文字が消えているなど、製品版に相当するRTM(Release To Manufacturing)版ではないかとも言われていた。RTMとは、製品の開発が終了して、パソコンメーカーなどに出荷を開始すること。従来のOSの場合、RTMに至ってOSの完成とされ、RTM時のビルドが製品版と位置づけられていた。
一方、Windows 10について同社は、「Windows 10にRTMというものはない」と説明している。「1年に2~3回のペースで機能を拡張していく」ものであり、常に最新のビルドを提供し続け、“完成形”として一つの形にとどまることはない。「Windows as a Service(サービスとしてのWindows)」というコンセプトの下、修正や新機能の提供を随時行っていく計画だ。その意味で、7月29日に一般提供が始まったビルド10240も、「RTM」というわけではなく、一つの通過点にすぎない。
なお、Windows 10は、Insider Preview Programの参加者を皮切りに、事前予約を行ったユーザー、その他の一般ユーザー、という順番で提供されていく予定。各ユーザーへの配信のタイミングがいつになるかは、状況によって変わってくるとして、明言は避けている。