不動産賃貸のUberを目指すOliverは仲介業者を取り除く最新アプリ | TechCrunch Japan

サンフランシスコ、ニューヨーク、チリコシーといった人気都市でアパートを探した事があるなら、仲介業者という不可思議な存在に出くわしたことがあるだろう。彼らは、大した仕事をしていないにも関わらず、賃貸料のいくらかを懐に入れている。そろそろ、それを「ディスラプト」する時期に来たのではないかと思う。そうだろ、Oliver?

Oliverは、この仲介業者を取り除こうと努力する最新サービスだ。「借りたい人とアパートをつなぐ」アプリだ。コンセプトは非常にシンプルだが、実際に行うのは驚くほど難しい。大家や管理者から直接、賃貸物件の情報を集めることで、仲介業者のレイヤーに阻まれることなく、借りたい人とテナントを滞り無くつなげるマーケットプレイスを構築することができる。

Oliverの立ち上げストーリーはシンプルなものですと、共同ファウンダーのYossi Shemeshは話した。不動産開発に携わっていたAmir Shrikiと食事をしたことから全てが始まったと言う。

「不動産の物件情報は公開されていて収集できることが分かりました。このプロジェクトに投資することを決め、開発チームを組んでプロトタイプを作り始めました。大家のデータソースから直接、物件情報を収集するプログラムです」とShemeshは説明した。「2014年8月、初めてコンセプトの検証を始めました。ユーザーと地主をつなげたり、スリムなウェブベースのプロダクトを構築したりするのに多くのインターン生を採用しました。一日に十数回の内覧が行われるようになり、賃貸契約に結びつきました。そこで検証は止めて、シードラウンドを行うことにしました」。

アプリは期待通りのことをする。気になった物件を選択して、大家とのアポを取る。仲介業者は条件に合わない人や冷やかしを取り除くことができると主張するだろうが、これまでのシェアリングエコノミーはこのようなサービスが効果的であることを証明してきた。大家も少ない労力で同じことができるだろう。それに賃貸契約の場合には、申し込みや信用度のチェックはいずれにしろ行う必要があるので、仲介業者の価値はますます薄れるだろう。

「 Zillow、Trulia、StreetEasy、RentHop、NakeApartmentsといった他のサービスは『時代を牽引』するプラットフォームで、彼らは仲介業者に課金することで収益を上げるモデルを採用しています。私たちは、そこを全て排除し、賃貸版のUberになることを計画しています。つまり、借りたい人と大家や物件に直接、それもスムーズな方法でつなげるということです」とShemeshは話した。

彼らのサービスはシードラウンドで100万ドルをニューヨークの不動産関連のエンジェル投資家のグループより調達した。ShemeshとShrikiは二人でサービスを立ち上げ、最初の数ヶ月はブートストラップしていた。Shemeshは数年前に流行したMobliという写真共有アプリの共同ファウンダーでもある。1ヶ月ほど前にサービスをマンハッタンでローンチしから2000人ほどのユーザーがサイトを訪れ、一日200のコンバージョンがあったと言う。今週、サービスをブルックリンでも公開する。明らかに競合の多い分野ではあるが、潤沢な資金がある市場でOliverは興味深いプレイヤーとなるだろう。

「いずれ仲介業者はいなくなるでしょう」とShemeshは言った。今後が楽しみだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter