頑張れ坂さん!
数千人が犠牲となり、数々の歴史的建造物が破壊されたネパールの大地震ですが、勿論一般的な家も何千件と崩壊してしまいました。しかし、今度はその瓦礫を再利用し、家を失った人たちの長期シェルターを建てようという試みが行われようとしています。
紙で出来たシェルターのデザインを得意とし、多くの災害支援プロジェクトを手がけており、ニュージーランドからハイチ、勿論日本でも、あらゆる被災地で家や建物をデザインしてきました。
彼はダンボールの筒を構造上の支えとして使う技術を開発し、その建物は何年、あるいは何十年先も立ち続ける事が出来ます。
先週、坂さんはネパールの為のシェルターのデザインが完了したと発表しました。地震が起きたのが何ヶ月も前だと考えると随分遅く感じるかも知れませんが、家を失った人々にとって最も困難なのは、災害の数ヶ月後に救援隊が去って緊急援助が終わった後、安全で信頼性があり、ずっと住み続ける事ができる家を探す事です。坂さんの狙いは、村や市が復興し始めるまで、少なくとも数年は住める家を生存者に提供する事なのです。
実際のデザインを見てみましょう。坂さんのウェブサイトの投稿によれば、安くて軽量な3フィート x 7フィート(90cm x 210cm)のモジュール化した木枠を使う事で、運搬と組み立てを簡単にしたそうです。これにより、木枠を繋げていくだけで必要に応じて建物の大きさをカスタマイズできるようになります。
屋根には坂さんのプロジェクトらしい「現地製紙管によるトラス小屋組」を使用します。
しかし、坂さんの計画の最も素晴らしい点は、木枠の家が時間と共に進化できる所です。プレハブのモジュールは素早く組み立てる事ができ、壁代わりにシートを張れば即住み始める事ができます。しかも、モジュールはレンガや瓦礫を詰められるようにもデザインされているので、4月に崩れて生まれた瓦礫を使い、住んでいる人間が自分達で強固な壁を作り、時間と共によりパーマネントな家にできるのです。「木枠に仮のシートでも張れば住み始めることができる。そして住人が徐々に木枠の中にレンガを積んで自分で工事を完成させればよい」とサイトでは説明されています。
モルタルをどうするかについてはまだ説明がありませんが(恐らく供給するシステムを確立するのでしょう)、木製の構造フレームと屋根は、全てがレンガやセメントでできた以前の建物よりも安全になります。鋼鉄は突然壊れる可能性があり、セメントやレンガは崩れると大変危険です。しかし、木製のフレームは柔軟性があり、紙の屋根なら崩れても被害は小さく済みます。
坂さんのサイトによれば、最初のプロトタイプは8月に完成するそうです。被災地では秋が近づき気温は下がる一方なので、早すぎるという事はないでしょう。寄付はこちらから可能です。
source: Shigeru Ban h/t Designboom
Kelsey Campbell-Dollaghan - Gizmodo US[原文]
(scheme_a)