いよいよ「Windows 10」の一般公開が始まる。まずはWindows Insider Program参加者向けに順次配信されていく予定だ。ただ、これまでInsider Programに参加してきた600万人以外の、ごく一般的なユーザーの中には、今回の無料アップグレードに誤解や不安を頂いている方も少なくないと思われる。
まずはっきりしておきたいのは、「Windows 10のアップグレードは自動でも強制でもない」という点。知らない間にWindows 10へアップグレードされてしまい、周辺器機のドライバやネットバンキングがWindows 10に対応してなくて困る、ということは起こらない。そもそも、仮にアップグレードしても「アップグレードから31日間は直前の環境に戻せる」仕組みが用意されている。
また、「予約をしないとアップグレードできない」や「互換性がないとアップグレードできない」といった誤解も聞かれるが、「予約をしていなくても後からアップグレードは可能」であり、「互換性を確認できなくてもアップグレードできる」。
一般公開前の最終チェックとして、どういった手順でアップグレードが行われるのか、使用環境に応じておさらいしておこう。
●Windows Insider Program参加者
もしあなたがWindows Insider Programに参加してきたのなら、これは説明する必要はないだろう。7月29日の0時ちょうどに配信が始まるとは限らないが、すべてのケースで最も優先して最新OSを体験できることになるはずだ。おめでとう。
●Windows 10無料アップグレードの予約を行った人
Windows 7(SP1)/Windows 8.1 Updateを搭載するPCもしくはタブレットで、Windows Updateに追加された「Get Windows 10」アプリや、Windows Updateから無料アップグレードを予約した人は、7月29日以降、アップグレードの準備が確認でき次第、インストールに必要なファイルがバックグウランドで徐々にダウンロードされる。そしてダウンロード完了後にアップグレードが可能であることを示す通知がデスクトップに表示される。
この際、通知を受け取ってすぐにアップグレードする以外に、スケジュールをセットしてアップグレードすることもできる。ただし、配信のタイミングは「最大数週間かかる場合がある」。もし予約していたのにデスクトップへの通知が遅れるケースは、配信状況のほか、ユーザーが使用するシステムで互換性が確認できていない場合もこれに該当する。なお、各メーカーの互換性対応状況は「日本マイクロソフトの公式サイト」から参照できる。また、以下にPCメーカー別対応状況もまとめているのでそちらも参考に。
・「Windows 10」無料アップグレード対応PCまとめ
なお、無料アップグレードの予約はいつでも取り消すことができる。具体的には、タスクバーの右端に表示される「Windows 10を入手アプリ」アイコンを右クリックし、アップグレード ステータスのチェックを選択、予約の取り消しを選択すればよい。
●Windows 10無料アップグレードの予約を行ってない人
事前にGet Windows 10アプリやWindows Updateで予約を行っていなければ、Windows 10にはアップグレードされず、そのままWindows 7(SP1)/Windows 8.1 Updateを使い続けられる。
無料アップグレードをすすめる通知が表示される場合もあるが、判断はユーザーにまかせられる。また、1年以内であればいつでも無料アップグレードが可能だ。なお、これから予約を考えている人は公式サイトで予約手順を確認してほしい。
●互換性に関係なく手動でアップグレードしたい人(上級者向け)
Windows 10への無料アップグレード要件を満たすシステムでは、7月29日に一般リリースが開始されてから、Windows 10へのアップグレードするためのメディアが作成できるようになる。詳細は公式サイトで公開される予定だ。
この方法でアップグレードを行えば、特定のデバイスやアプリの互換性により、予約による配信(準備完了を知らせるデスクトップ通知)が遅くなった場合でも、互換性に関係なくアップグレードできる。
●アップグレード直前環境に戻す際の注意点
なお、前述の通り、Windows 10にアップグレードしてから31日間は、アップグレード直前の状況に戻せるとしている(具体的な手順はまだ公開されていない)。ただし、Windows 10へアップグレード後に「新しいユーザーアカウントを追加する」、「リセットを実行する」、「windows.old(以前のWindows イメージファイル)が破損/削除されている」と復元機能は使用できなくなるので注意して欲しい。