かつてビル・ゲイツ氏が夢見た世界。それはまた一歩、現実に近づいているようです。
シドニー、東京、シンガポール、北京、ニューデリー、ドバイ、ナイロビ、ベルリン、ヨハネスブルグ、マドリード、ロンドン、サンパウロ、ニューヨーク。7月29日は世界13都市でWindows 10リリース記念イベントが行なわれましたが、マイクロソフトのナデラCEOはどこでその瞬間を迎えたのでしょうか?
その答えは、米国でもなければ日本でもなく… ケニアのナイロビでした。
そして記念イベントの直前、ナデラ氏はナイロビから北に200kmほど離れたマウント・ケニア国立公園の近くにある赤道直下の土地、ナンユキを訪れていました。ナンユキにはこれまで、インターネットはおろか電気すら満足に供給されていない場所が多くあったといいます。
赤十字に勤めるAnthony Kuriaさん曰く、メールを一通送るために最寄りのホットスポットへ行くまで何時間も歩かなければならなかったとか。この土地では、火事や洪水でばらばらになった家族を助けるためには、郵便や告示板がもっとも便利なツールとされていました。
マイクロソフトはWindows 10とともに、インターネットが使えるノマド空間をこの町にもたらしました。無線ネットワークは、テレビのホワイトスペース(テレビ放送で使われていないネットワーク帯域) と太陽光発電によって実現。
ナデラ氏はWindows 10正式ローンチの前日、自身のツイッターで次のように語っています。
「Windows 10のローンチをファンのみなさんと一緒に祝うため、またテクノロジーがケニアの人々や組織にどれほどの活力を与えるか学ぶため、ケニアに到着しました」
1975年にマイクロソフトを創業したゲイツ氏は「すべてのデスク、すべての家庭にコンピューターを」というビジョンを掲げていました。2015年、コンピュータは手のひらサイズになり、私たちにとってはデスクどころかポケットにインターネットを忍ばせることすら当たり前の世の中になってきました。
しかし一方、世界では40億人以上がインターネットにアクセスできていないという現実もあります。今回ナデラ氏が訪れたケニアでの取り組みは、田舎の村々や学校、農場の方々にもコンピューターと安定したネット環境を提供し、情報格差をなくすことが大きな目的のひとつ。
マイクロソフトがWindows 10 キャンペーンで掲げている「世界をアップグレードする」というテーマには、同社の原点がしっかり受け継がれていたようです。
source: Microsoft、Twitter、YouTube
(Rumi)