中国「軍事イノベーション」の未来=中国メディア  | ニコニコニュース

サーチナ

 中国メディア・環球時報は7月25日、米・国際海事安全センター(CIMSEC)のウェブサイトが24日に「中国の軍事イノベーションの未来」と題する文章を掲載し、その内容について紹介した。

 記事は、中国の国防工業(防衛産業に相当)が同国の軍事現代化を支えられるのか、宇宙開発やミサイルといった優位性のある分野以外での進歩、業界全体のイノベーションを実現できるのか、と疑問を提起した。そのうえで、米カリフォルニア大学の中国系研究者Tai Ming Cheung(張太銘)氏が著書のなかで「中国国防工業の進歩は、壁をぶち破るような進歩よりも、段階的な進歩が多い」、「中国のイノベーションは一貫して技術進歩によるもので、学説や組織の構造を改めた結果ではない」と論じていることを紹介した。

 そして、「読者が関心をもっとも持っているであろう、解放軍の海軍に直接関係する2つの問題」として、中国の軍事代表室について、世界の国防工業における中国の地位についての考察を示した。解放軍が武器や装備の生産品質を保つために設けた海軍の軍事代表室制度が現在、これまでで最も広範でシビアな改革を試みており、そこには現在中国政府が進める反腐敗キャンペーンが影響していると紹介した。

 また、中国は造船、航空、宇宙分野においてこの20年で大きな成果を得たとする一方、以前として外国の技術に依存し続けているという問題があると解説。海軍の造船能力については「悪くはないが、決して出色というわけではない」と評価した。さらに、ミサイル、宇宙、ネットワークといった分野ではその優位性を拡大し、高め続けるものの、航空分野、特に航空エンジンにおいては「なおも困難に遭遇することになるだろう」と評した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)