世界初の「動物専用ターミナル」は超VIPな空間

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明らかに人間用のターミナルより快適そうですよ。

現在、米JFK国際空港では動物専用ターミナル「The ARK at JFK」を建設中。ARK(ノアの箱舟)のネーミングのとおり、犬や猫などのペットから馬や鳥、動物園用の動物たちなど、さまざまな生き物が利用できるターミナルなんです。

ペットは家族ですから、飛行機の旅も快適に過ごして欲しと思いますよね。でもここまでとは…。世界初の動物専用ターミナルには農務省が認可のもと、24時間体制で検疫や出国の手続きが可能だったり、ラウンジやテレビや犬が不安にならないように家族写真を飾るサービス付のスイートルームに、犬専用のプール、温度と湿度が調節された馬房、ジョギング用道路、個室シャワー、猫用アドベンチャー・ジャングル、ペンギン用モーテルなどがあるそうです。

ペットと一緒に旅をする人にとって、現在のように窮屈で時代遅れの設備だらけのVetPortにペットをあずけた後、隔離施設日まで2時間かけてトラックで運ぶという方法には改善を求めたいところ。なので、動物を大切に思っている人たちにとって、このARKは待ちに待ったターミナルなんです。24時間対応の動物病院も完備しているから、安心して動物たちを預けることができます。ただ、お値段はちょっとお高め。たとえば犬用スイートは一泊あたり100ドル(約12,000円)とVetPortの約5倍なんだとか。


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ARKを設計した建築家のクリフ・ボルマン氏は、洗練された居心地のいい空間を空港に作り出すのが得意で、既にJFKにJetBlueターミナルのプロジェクトにも参加していたそうです。でも、今回のお客さんたちは動物ということで、とてもチャレンジングだったそうです。

人間用のターミナルと違い、フワフワの羽に覆われた鳥たちがトランジットする際に使用する仮設住宅を設置したり、何十頭もの馬や180頭の牛たちが滞在できるようになっているので、彼らが排出する約2トンものフンを毎日どうやって処理していくか?臭い問題への対応も検討しなければなりませんでした。ミーティングにミーティングを重ね、ボルマン氏とGensler建築事務所の同僚たちは床に適度な角度をつけることによって、フンが容器にスライドしていく「フン・シューター」という巧妙なプランを考え付いたそうです。これで臭いもさることながら衛生面でも安心空間を保てますよね。


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よく空の旅をする生き物たちが、検疫のために預けられ、ストレスでゲッソリしてしまったなんていう話を聞くので、少しでも良い環境になってくれるのは良い事だけど、個人的には、ちょっとラグジュアリー過ぎでは?と思ってしまったり…。

ちなみにCityLabクリストンさんは、動物の扱いについての進歩を示すことができ、港湾委員会は年間500万ドル(約6億円)の使用料を得ることができるので、ARKの登場は倫理的にも財政的にも良い効果があると指摘しています。

世界初の動物専用ターミナルの完成は来年ですが、いつか成田空港や羽田空港にもこんなターミナルが出来る日が来るかも!?


source: Crain’s via CityLab

Alissa Walker -Gizmodo US [原文]
(junjun)