スマートフォンが自分だけのドクターに。
アップルのiOS8で登場したHealthKit・ResearchKitやグーグルのGoogle Fitはヘルスケア・医学研究を大きく前進させると期待されています。世界中の研究者がいかにスマートフォンのセンサーを使って医療を変えるかしのぎを削っていますが、その中でもユニークで今話題のリサーチ3つを見てみましょう。
オーストラリアのクイーンズランド大学が開発したこのアプリはiPhoneに向かってゴホゴホッと咳をするだけで音を分析して診断をして重症度も判定してくれます。気道の状態が変わることで咳の性質が変わるということを利用しています。咳の時間帯や頻度も病気によって変わるので意外と分かることは多いのかも。
数年前の研究ではこのResAppは91人の患者で90%もの精度で肺炎と喘息を診断できたそうです。二回目の大きな試験も現在進行中であらたに気管支炎や細気管支炎などを追加し来年にはドクターに公開予定だそうです。
ミシガン大学のPRIORIは常時ずっとONになっていてユーザーの電話を聞き会話の声のパターンを分析することで、躁病やうつ病の発生を予知してくれます。さらに介入が必要なときは医者や介護人にアラートまで届く仕組みになっています。声だけでそこまで分かるものなんですね…。
少人数で行った予備実験では正しく双極性障害を診断することができ、今では40人以上のグループで研究を進めています。来年の春までにベータ版を出す予定だそうです。
ワシントン大学のApneaAppは耳には聞こえないソナー音を使ってユーザーの睡眠パターンの変化をキャッチし、無呼吸状態を判断します。たとえ複数人で寝ていても10cm以上離れていれば判定できるという優れものです。現段階では一部のAndroidのみが対応しています。
研究では実際の患者がつける大掛かりなモニターに劣らない結果を出していて37人中の患者中32人を正しく判定できたそうです。これからはさらに改良を続けて患者の家でアプリを使ってもらう研究を計画しるそう。
なんだかスマホのセンサーだけでここまでできるのかという驚きの研究ばかりですが、今までにない取り組みということもあり実用化まではもう少し時間がかかりそうですね。気長に楽しみに待ちたいです。
source: Scientific American via 9to5Mac
(ケンタロー)