韓国メディアの亜洲経済の中国語版は7月30日、韓国の潜在成長率の低下速度が経済開発協力機構(OECD)加盟国中でもっとも速いことがわかったと伝え、韓国の2015年における潜在成長率は3.66%だが、7年後には2.94%となり、2060年には1.29%まで落ち込む見通しと報じた。
記事は、潜在成長率について「各資源が最適に分配された場合における仮定の成長率」を指すと伝え、2000年から07年における韓国の潜在成長率は平均4.6%だったが、約10年で1%ほども低下したと紹介し、低下速度は「世界でもっとも速い水準」と論じた。
続けて、OECDの34カ国の加盟国の今後10年間における平均の潜在成長率は2.06%から2.3%に増加する見込みだとし、米国やオーストラリア、日本、フランスなどの先進国の潜在成長率はいずれも増加すると予測されていることを紹介した。
さらに、韓国の潜在成長率が急速に低下することで、1人あたり国内総生産(GDP)が2万ドル(約248万円)を超えられない「2万ドルの罠」にかかり、一流の先進国への入り口で長期にわたって停滞するおそれがあるなどと主張した。
また記事は、韓国経済研究院がこのほど発表した報告書として、「潜在成長率の低下は1人あたりGDPの増加速度の低下につながる」と伝えた。また、韓国の潜在成長率が低下すると分析されている主な理由は低出生率と高齢化だと指摘したほか、主力産業の競争力の低下や非合理的な産業構造、消費の低迷なども理由であると指摘した。(編集担当:村山健二)(写真は亜洲経済の中国語版の7月30日付報道の画面キャプチャ)