生物の遺伝子を効率よく改変できる「ゲノム編集」という技術に関し、日本遺伝子治療学会と米国遺伝子細胞治療学会は1日までに、「人間の受精卵で利用することは、技術的、倫理的問題が解決され、社会的な合意が得られるまで厳しく禁止すべきだ」とする声明を米科学誌に発表した。

 ゲノム編集をめぐっては4月、中国の研究チームが人間の受精卵の遺伝子改変を試みたとの論文を発表し、議論を呼んでいる。

 声明では受精卵のゲノム編集はその受精卵だけでなくその先の世代にも影響することなど倫理的課題があるとし、「当面、霊長類を含めたさまざまな動物の生殖細胞で研究を続けるべきだ」と指摘した。