昨今の不景気で“働けど働けど我が暮らし楽にならざり”と嘆いている人も多いことだろう。そのうえ年金もどうなるかわからない。私たちは一体、何歳まで働かなければならないのだろうか。そこで今回は、「教えて!goo」の中から、この質問を拾ってみた。
質問者のrisunotorasanさんはもうすぐ71歳。奥さんから「働けるうちは外に出て働け」と叱咤激励されているのだが、男は何歳まで働けば隠居できるのかと嘆きにも似た質問を投げかけている。
さて、この質問に中高年の方々から真面目な回答が寄せられていた。まず、妻はなぜ定年後も働くようにすすめるのか、意見を拾ってみると……。
■「長く働いて!」は妻の愛か
「夫はよく、男は働けるうちが華だと言います。きっとあの方が働かなくなる時は地球が終わる日(笑)私の場合は、もうあなたは働かなくていいよと、いつも言ってます。(中略)…私は彼に、『働けても家に入れ』と叱咤激励すべきでしょうか。それはそれで嫌です(*^^*)」(privatehourさん)
「ジム通いのほかは、特に趣味のない夫が、現在のところ、生活の大部分を占めている仕事をやめてしまったら、おもちゃを取り上げられた子どものようになってしまうのではないか、と、ひそかに危惧しています」(ciaopolpo2さん)
というように、どうも妻の方には男性は隠居してしまうと夫が生きるシカバネ化するのではないかという不安があるようだ。趣味に没頭するなど、何か生き甲斐があればいいのだろうが、そんな男性はそう多くはないだろう。つまり、定年後も働けというのは、妻の思いやりと考えていいのかもしれない(本気で側にいてほしくない場合もあるだろうが……)。次に、何歳まで働くべきかだが。
■経験や知識を活かせる間は働くべき
「長年社会に関わっていると、自分が他人のために役立っていることが嬉しい。逆に、社会から離れると自分の存在が無くなるようで怖い。働かなくてもボランティア活動をされる方もいらっしゃいますよね。質問者さんが持たれておいでのスキル、経験、知識などを埋もれさせるのも社会の損失と考えれば、身体の動くうちは好きなようにされれば宜しいかと」(moflさん)
「質問者さんのように、非正規のコンサルタントのような仕事をぼちぼちと続けて、社会とつながっていて欲しいです。若い人たちに、今まで蓄えてきた知恵を伝えてゆく使命があるのではないか、と思います」(ciaopolpo2さん)
というように、自分が培ってきた知識や経験を伝えられる間は働くべきで、その人が働けないと思ったときが真の意味で、定年ということなのだろう。
仕事は何も稼ぐことだけとは限らない。非営利団体やボランティアでも、せっかく培ってきた知識や経験、スキルなどなど、若い人たちに伝えていってほしいものだ。お金に余裕があってもなくても、人は働けるだけ働いた方がいいようだ。
花守深雪(Hanamori Miyuki)