一昔前であれば、結婚前に子供を宿すことは、あまり歓迎されない事態であった。ところが最近は、「デキちゃった婚」から「おめでた婚」へと言葉が変わり、それが必ずしも悪いことではなくなりつつあるように思う。
とはいえ、未婚であっても確信犯的に子づくりをするのと、うっかりデキてしまうのとでは状況はまるで異なる。「そのつもりはなかったのに、なし崩し的に結婚するハメになった」なんて事態は誰もが避けたいことだろうし、「結婚した後も、しばらくは夫婦2人きりの生活を楽しみたい」という声もよく聞く。
「そういう意味では、戒めの意味でぜひ知っておいていただきたいデータがあります。ワンナイトの恋愛では避妊に気をつけている人でも、相手が恋人になると避妊を怠る傾向が顕著に見られるというものです。ある心理学者の調査では、両者には30%もの差が確認されているんですよ」
そう語るのは、心理学者の内藤誼人先生。その調査とは、次のようなものだ。
「これはカナダのウインザー大学の心理学者、エレノワ・マティカ・ティンデール氏が春休み明けの大学生を対象に行った調査です。ティンデール氏は長い休みを終えた学生たちに、直近のセックスにおける避妊の有無についてアンケートを採りました。その結果、アバンチュール(一夜限り)の相手では56%が避妊具をつけていたのに対し、継続的に交際している恋人を相手にする時には22%しか避妊具をつけていなかったのです。これは単純に、行きずりの相手に対しては警戒心が強まることと、交際中の恋人に対しては避妊への意識が緩みがちである事実を示していると、ティンデール氏は考察しています」
時代が寛容になってきているとはいえ、先に子供ができたというのは、相手の親の手前もバツが悪い。恋人ができて浮かれている人ほど、このデータを肝に銘じ、今一度気持ちを引き締めよう。
※当記事は2015年08月03日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。