「優先席、譲ったら立ち去られた…」 上手な声のかけかたは? 専門家「ぱっと」「すぐ動く」 | ニコニコニュース

地下鉄の優先座席。譲ろうとしたら断られて、気まずい思いをする人も…
withnews(ウィズニュース)

 電車内でお年寄りに席を譲ったら、断られた経験ありますか? 後に残った気まずい雰囲気、譲られた方は「私は年寄りではない」と思っていたのでしょうが…。上手に席を譲るコツはあるのでしょうか。専門家は「条件反射的に、ぱっと立つ」とアドバイスします。

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「あっ」と言って逃げるように…
 「優先席、譲ったら立ち去られた」という投稿を朝日新聞にした60歳の女性。車内に乗り込んできた白髪の婦人に「どうぞ」と声をかけたら、「あっ」と言って逃げるように立ち去られました。

 「私はその方に失礼なことをしたのでしょうか? 私の行為でその方を傷つけたのでしょうか?」と疑問を感じたそうです。


「立っているのが好きですマーク」提案も
 投稿には、たくさんの反応がありました。マスターズ陸上にも出ているという80歳の男性は、50代くらいの女性に席を譲られた時「私は大丈夫です」と断りました。男性は後から妻に「譲った人の気持ち軽視。立っていれば通る人の迷惑。1人では生きていけないの。何かがあれば誰かの世話になります」と言われたそうです。

 64歳の女性は、自分と変わらない年に見えた男性から席を譲られ、「私がずっと年上に見えたの?」と思ってしまったそうです。譲った男性は、降りずに立ったまま。「私のような世代は、人生のたそがれ時にさしかかった自分を様々な事象に映し出し、落ち込むこともある」と複雑な胸中を明かしています。

 76歳の女性は「立っているのが好きなの」と言って、いつも断るそうです。しかし、譲ろうとした人が気まずい思いをするので車両を移ることもあるそうです。女性はマタニティーマークと同じように「立っているのが好きですマーク」を作れないか、提案しています。


専門家「ぱっと立つ」「少し離れたところに動く」
 親切心で譲ったのに、気まずくなっていまう。席の譲り合いにコツはあるのでしょうか。

 精神科医の中沢正夫さんは「あれこれ考えるからうまくいかない。条件反射的に、ぱっと立つようにならないと、スムーズな席の譲り合いなんて無理」と言います。ぎくしゃくしてしまう背景には「必要以上の人間関係を結びたくない」という現代人の心理があると指摘します。「譲り譲られで相手とかかわりができるのがうっとうしい。今の世の中、電車の中でまで人とつきあいたくないんです。譲られる方だって、申し訳ないと負担に感じ、楽じゃない気持ちになる場合もある」

 生活評論家の吉沢久子さんは、立ち上がってくれた相手が「すぐ降りますから」と言い、少し離れたところに動いてくれると気兼ねがないと話します。「目の前にずっと立っていらっしゃると、こちらもどきどきしてしまいます」とアドバイスします。