東京電力は3日、福島第1原発の30代の男性作業員が1日の作業終了後、帰宅途中に体調不良を訴え、搬送先の病院で死亡したと発表した。死因は分かっていない。東電は、作業との因果関係などを慎重に調べている。

 東電によると、男性は協力企業の作業員で、1日は午前6時から同9時まで、1〜4号機建屋周辺の土壌を凍らせる凍土遮水壁関連の屋外作業に当たっていた。帰宅途中、廃炉拠点として使用している「Jヴィレッジ」に寄った際に体調不良を訴え、病院に搬送されたが、同日午後1時ごろ死亡した。

 男性は、顔全体を覆う全面マスクと防護服を着用して作業していた。現場の気温は同日午前8時時点で28.5度だった。作業開始前の打ち合わせの際には、体調に異常はなかったという。

 東電は当初、作業内容との因果関係が不明として、詳細な状況の公表を見送ったが、3日になり、概要を発表した。同社福島復興本社は「当初から公表するべきだった。公表体制を見直したい」と説明している。