核融合科学研で火災、2人死傷=放射性物質漏えいなし―岐阜
4日午後3時10分ごろ、岐阜県土岐市下石町の自然科学研究機構「核融合科学研究所」の施設で火災が発生した。約1時間後に鎮火したが、作業員の栄田安雄さん(61)=愛知県岡崎市=が死亡し、1人がやけどで軽傷を負った。放射性物質の漏えいはないという。県警多治見署が詳しい出火原因を調べている。
核融研によると、火災が起きたのは、高温のプラズマを封じ込める電磁石を冷やすヘリウムを扱う装置。当時は配管の溶接作業中で、断熱材に引火したとみられる。同じ施設の地下には、計測用の放射性物質が保管されていたが、火災による影響はなかった。
核融研は核融合反応を起こすため、水の電気分解で得られる軽水素などを使い、プラズマを高温にする実験を実施。2003年にも、今回と同じ施設で、電源ケーブルが燃える火災があった。
記者会見した金子修副所長は「ご迷惑をおかけして申し訳ない」と謝罪。その上で「安全管理については、業者に任せている」などと説明した。