「南シナ海」で自制を=米、埋め立てなど「三つの中止」提案へ―ASEAN外相 | ニコニコニュース

 【クアラルンプール時事】東南アジア諸国連合(ASEAN)は4日、マレーシアの首都クアラルンプールで外相会議を開いた。会議後に記者会見した議長国マレーシアのアニファ外相によると、フィリピンなど一部加盟国と中国が領有権を争う南シナ海情勢で、各国外相は「事態を複雑化させたり緊張をエスカレートさせたりする活動の自制」を強化する必要があるとの見解で一致した。

 各国外相はまた、法的拘束力を持つ南シナ海での「行動規範」をできるだけ早期に策定できるよう中国との協議を加速させることでも合意した。

 ASEAN外相会議の共同声明は調整が続けられており、一連の会議が終了する6日以降に発表される見通し。声明案は南シナ海情勢について、中国による岩礁埋め立てなどを念頭に、平和と安定を脅かす恐れのある「最近の情勢を引き続き懸念」しているとしている。

 ただ、岩礁埋め立てに「深刻な懸念」を表明した4月のASEAN首脳会議議長声明に比べると「弱い表現」(外交筋)にとどまっており、最終的に中国に強い対応を打ち出せるか注目される。

 一方、フィリピンのデルロサリオ外相は会議の中で、米国が南シナ海の緊張緩和策として、(1)埋め立て(2)建設(3)緊張をさらに高める恐れのある挑発的行動―の「三つの中止」を提案すると明らかにした。同外相は「フィリピンは全面的に支持する」と述べた。

 この提案に対し、中国側の反発は必至だ。6日のASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議など一連の会議に出席するためクアラルンプール入りした王毅外相は4日、記者団に「(今回のASEAN会議は)南シナ海問題を議論する場所ではない」と述べ、同問題を取り上げることに反対の立場を強調した。