11月17日、18日に渋谷・ヒカリエで開催予定のスタートアップの祭典「TechCrunch Tokyo 2015」。このイベント2日目の午後に予定している目玉企画「スタートアップバトル」に、続々とスタートアップ企業からご応募いただいている。例年120〜150社の応募の中から書類審査を勝ち残った10社程度がステージに上り、投資家や起業家、経営者、スタートアップ関係者、大手ネット企業の事業担当者などを含む観客の前でプロダクトのお披露目をするコンテストだ。昨年の実績だと観客は、ヒカリエ8階Aホールという広い会場でも立ち見状態で800人以上はいたのだけど、今年はチケットの売れ行きからすると昨年以上の客入りとなりそうだ。
このコンテストには多くの未ローンチのプロダクトもご応募いただいている。一方、すでにプロダクトをローンチ済みのスタートアップもあるので、その中から一部を少しずつ紹介していきたい(書類審査に通るかどうかは審査員の判断によるので、また別の話)。
まず1社目は、「グルメ × 動画」を標榜する「Gocci」(ゴッチ)だ。
Gocciは「グルメ × 動画」に挑戦するメディアだそう。ぐるなび、食べログ、Rettyなどで、すでに群雄割拠と思われているレストラン情報市場を、動画という新たな切り口で攻めようという若いスタートアップ企業だ。チームメンバーは代表の細川大己氏が20歳、ほかの2人も20歳と19歳という若さ。このチームに元日本サンマイクロシステムズ、日本シスコシステムズ代表だった松本孝利氏という65歳のベテランがエンジェル投資家、監査役として入っているのが興味深い。
Gocciの狙いは、既存の情報サービスで調べて訪れた飲食店が、思ったよりまずかったとか、思ったより狭かった、あるいは思ったよりうるさかったという「現実と理想のギャップ」を取り除くことだ、という。写真はキレイに撮ろうと思えばキレイにできるし、情報としても断片的。そこでGocciでは店舗外観で2秒、店の内部で2秒、料理で3秒などとした合計7秒の動画を基本として、お店の様子がひと通り分かるような動画を掲載する。実際の撮影はボタンを押している間だけ撮影が進むVineに似た方式で手軽だ。サービスに投稿されている動画を見てみると荒削り。グルメ番組やキレイに編集された情報誌を見慣れた目には、かなり新鮮に見える。でも良く考えてみると、それがもともとの「リアル」なのだろう。10代や20代といった若い人にとって動画利用は日常的になっているし、ソーシャル上で短い動画による料理紹介を目にする機会も増えているので、Gocciは面白い切り口だと思う。短い動画なので言語依存性が低く、グローバル展開しやすいというのも面白い。実は海外だとTastemadeというのがあるが、こちらは従来のグルメ情報誌の動画版。動画は1分と長く、顔出しもあるので敷居も高い。
Gocciは2014年9月創業。創業メンバーは1年間、東京・青梅の一戸建てで寝食を共にして開発に取り組んできたそう。4月には森永製菓主催の「森永アクセラレータプログラム」に採択されたほか、今日、コロプラネクストからのシード資金として600万円を調達したと公表している。
まだ出来たての、走りだしたばかりの若いスタートアップだけど、11月のTechCrunch Tokyoまでにはプロダクトもきっとリファインされているものと思うので期待したい!
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