性犯罪の罰則見直しに関する法務省の検討会(座長・山口厚早大大学院教授)は6日、強姦(ごうかん)罪などの性犯罪を厳罰化し、被害者の訴えがなくても起訴できる「非親告罪」に改める意見が多数を占めたとする報告書を正式に決めた。これを受け、同省は性犯罪の罰則強化に向けた法改正の検討に着手。改正が適当と判断すれば、上川陽子法相が法制審議会に諮問する運び。

 現行刑法は法定刑の下限について、強姦(ごうかん)罪は懲役3年、強姦致死傷罪は懲役5年と定めている。報告書は、両罪の法定刑の下限を引き上げるよう求める意見が多数だったと記載。その上で、委員から出た意見として、強姦罪の下限を懲役5年とする案や、強姦致死傷罪の下限を強盗致傷罪と同じ懲役6年とする案を明記した。

 強姦罪や強制わいせつ罪は、被害者の訴えがなければ起訴できない親告罪となっている。報告書では、実際に訴えるには「被害者の負担が大きい」との見方から、訴えがなくても起訴できる非親告罪化が多数意見だった。