人気アプリ『モンスターストライク(モンスト)』初の大型無料イベント「MONSTER STRIKE FESTIVAL 2015(モンフェス2015)」が、8月2日(日)、千葉市美浜区の幕張メッセで開催された。
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モンスト日本No.1を決めるモンストグランプリや、アニメのキャスト発表をはじめとしたステージイベント、ゲームにちなんだコーナーの数々と、会場内はファンの熱気に満ち溢れていた。
一方で、すでに多数のメディアで報道されているように、長時間にわたる入場待機がもたらした混乱では、一部の来場者が熱中症で病院へ搬送されるなど、イベント運営における課題も露呈した。
そんなモンフェスだが、実際に会場はどんな様子だったのだろうか。今回は、その全容をレポートしていく。
モンストの世界が広がる会場内を総ざらい
エントランスゲートを抜けてまず目に入るのが、レッド・ブルー・グリーンリドラの巨大バルーン。その背後には、巨大な「ワールズ・エンド」の像が設置され、時計代わりとして時を刻んでいた。一方、フードコートの中心で癒しを提供していたのが、「水精の天女 テキーラ」をモチーフにした噴水だ。いずれも絶好のフォトスポットとして、常に写真を撮ろうとするファンで溢れかえっていた。
会場の中心で存在感を放っていたのが、相手チームとタイムアタック対戦が可能なアプリ「モンストスタジアム」の世界を再現したステージ。ここでは、モンストNo.1チームを決める大会「モンストグランプリ2015」の激闘が繰り広げられたほか、上部のスクリーンでは、エンタメステージの模様を中継。大会参加者を含め、ファンの注目を集めていた。
ゲームの楽しさを再現するという意味では、随所に設けられたアトラクションも好評だった。どこか縁日のような「4人協力!ひっぱり射的」「ビンゴをねらえ!モンストラックアウト」や、4人の顔を合成してオリジナルモンスターがつくれるフォトブース「撮って!みんなで!顔面シャッフル!モンタージュストライク」と、子供から大人まで楽しめるコーナーが展開され、親子で楽しんでいる様子がとても印象的だった。
人気モンスターのイラスト制作秘話も!
また、「モンスト美術回廊」ブースでは、第3回モンスト選抜選挙の人気モンスタートップ30を発表。イラストの展示だけでなく、デザイン担当者による制作秘話を紹介。
1位の「反逆の堕天使 ルシファー」に関しては、「衣装など装飾がシンプルな分、座る姿も含めて全体像が印象に残るように制作した」「ゲームで使っているうちにだんだんイメージが膨らんできてしまい、今自分の中では昼寝と二度寝が趣味の、地獄で一番ダメな大人になっています」など、個人的な裏話も明らかにされており、じっくりと読み込むファンの姿が目立った。
そのほかにも、会場で配布された「宝竜封印の書」に隠された謎を解く、イベント限定のリアルクエストのほか、アーケード版「モンスターストライク MULTI BURST(マルチバースト)」ブースでは、マルチバーストNo.1を決める大会を開催。その隣にある「モンスターストライク リアルディスクバトル」の体験ブースでは、小学生が親子でプレイする場面も多かった。
こうしたアトラクションの中で、最も人気を集めていたのは「ガチャリドラ大明神」だろう。ガチャを引いて☆5のキャラクターが登場すると、超・獣神祭のCM同様、龍踊りが披露され、集まったファンからもたびたび歓声があがっていた。
銀だこやコールドストーンとのフードコラボに殺到
フードコートでは、築地銀だこ、PIZZA-LA、モンフェス/コールドストーン アイスキャンディとのコラボメニューを販売。特にオリジナルのデコレーションが施されたPIZZA-LAのトラックは、大きなインパクトを放っていた。
また物販コーナーでは、グッズの販売に加え、発売中のモンストVISAカードや、イベント当日から予約販売がスタートしたred monkey designsとのコラボウォッチ、秋以降順次登場予定のフィギュアを展示。「恐竜王レチリード」(サンリオ、9月登場)、「ナポレオン」(セガ・インタラクティブ、12月登場)、「黄泉津大神 イザナミ」(参考出品)と、いずれも人気のモンスターが立体化されるようだ。
全体的にお祭りムードで満たされた会場は、ほぼすべてのブース・コーナーが多くの人で賑わっていた。親子や友人同士など、複数で来場し、楽しむ姿が多かったのも、モンストというコンテンツを象徴しているといえるだろう。
アニメ版のキャストが発表! ルパンとのコラボも明らかに
現在、モンストファンの間で最もホットな話題のひとつがアニメ化。モンフェスでは、10月10日(土)から配信開始となるYouTubeでのアニメに関するキャラクターおよびキャスト情報を新発表。
ステージには、主人公・焔レン役を担当する小林裕介さんをはじめ、Lynnさん(水澤葵役)、河西健吾さん(影月明役)、木村珠莉さん(若葉皆実役)、福島潤さん(オラゴン役)が駆け付けた。
モンストのプロデューサー・木村弘毅さんによれば、アニメにはいろいろな謎がちりばめられているようで、PV内にもそういった要素は含まれているとのこと。配信開始まで待ちきれないというファンは、PVを細くチェックすることで、「ニヤリ」とする瞬間があるかもしれない。
また、Twitter上で募集していた「アニメに登場してほしいモンスター」のランキング(現時点)も発表。1位:ルシファー、2位:ユグドラシル、3位:ロキと、これらの結果が、いかにアニメに反映されていくのかも楽しみなポイントだ。
このほかにも最新情報として、今秋にゲーム内で『ルパン三世』とのコラボレーションが決定。お馴染みのキャラクターが、モンストのクエストステージに登場するという。
大熱狂の裏側では大きな混乱も
イベントはモンストグランプリの決勝戦、そして表彰式に続いて、最後は、マックスむらいさんやモンストの中の人をはじめとした、イベント関係者がステージに集結し、感動のフィナーレを迎えた。会場中を人が埋め尽くし、1日を通じて大きな盛り上がりを見せたモンフェスは、モンストを開発するXFLAG(エックスフラッグ)スタジオの旗印——“ケタハズレな冒険を。“——を、文字通り具現化したリアルイベントとなった。
しかし、こうした大熱狂の裏では、先日発表されたミクシィのコメントのように「会場の収容可能人員数を大きく上回る来場」によって、長時間並んでも会場に入れない、ファンが待機中に体調を崩すといった問題が発生していた。
会場外では、救急車が出動しただけでなく、しびれを切らした一部の来場者が、本来の入場口ではない入口(再入場口等)に詰めかけるなど、会場外は一時、騒然とした雰囲気に包まれていた。
こうした混雑は、開場1〜2時間前の段階で、入場待機専用の展示ホール4に長蛇の列が形成されていた。9時の開場後も外で待機する人の数は増す一方で、列はどんどんと会場の外へと伸びていった。エンタメステージが始まった10時以降は、会場内も人で埋めつくされ、11時過ぎにモンストのTwitter公式アカウントにて、入場規制が発表された。
現地では、「これから並んでも入場できない」「会場内への入場を中止」「入場特典のシリアルコードのみは配布」といった、場当たり的なアナウンスに加え、スタッフごとに異なる対応などが、長時間並んでいたファンの心情を逆なでしてしまったように見えた。
午後になると、列を無視して再入場口や関係者用の入場口に向かう人、その周辺で待機する人、スタッフに詰め寄る人、体調不良から座り込んだり、寝転がる人など、会場の中と外とで見える景色がまったく異なっていた。
来場者もスタッフも困惑
ネット上では、「救急搬送された1人は心肺停止」「ペットボトル飲料が会場に持ち込めず、なおかつ会場内の自販機は売り切れ」など、デマが拡散。対応に追われるスタッフは、根本的な数の少なさはあるものの、一部の来場者から執拗にクレームが寄せられたりと、来場者同様に混乱している様子がうかがえた。
一連の混乱が会場内にも波及したかといえばそうではなく、会場では、ファンが楽しそうに盛り上がる光景が続いていた。
会場に入ることができなかったファンからは、「もしかしたら入れるかもしれないと思って、(再入場口の前で)待っている」(10代男性)、「シリアルコードよりも、会場の中に入りたい」(20代男女)などの意見もあった。中には「次に同じようなイベントがあったとしても来ないと思う」(20代男性)という厳しいコメントもあり、イベント運営における課題が残った。
要因のひとつは、主催者側も認識している想定の甘さ。あえて具体的に言及するならば、本当の意味で幅広いユーザー層を考慮できなかった点ではないだろうか。たとえば、こうしたイベントに初めて参加する人にとっては、炎天下における長時間待機はストレスになる。並ぶことなく入場する関係者の存在を理解できなかった人も少なくないだろう。
そういった、イベント慣れしていない人を想定できなかった主催者側も、当然イベント慣れしていなかったといえるのかもしれない。
とはいえ、こうした混乱は期待の裏返しでもある。すでにミクシィ側からは正式なお詫びとともに、ゲーム内での対応が発表されているが、リアルイベントで失ったものは、同じくイベントで取り戻してこそ意味がある。そういった意味も含めて、今後のモンストの展開に大きな注目が集まっているのは間違いないだろう。