暗証番号入力中にビリビリッ! 200ボルトの電流が流れる中国「感電ATM」にご用心 | ニコニコニュース

感電の被害に遭った劉さん。指先が使えないためパソコンを打つことができず、翌日は仕事を休まざるを得なかったという
日刊サイゾー

 中国の古都・西安市にあるATMで、23歳の女性・劉さんが預金を引き出そうと暗証番号を入れていたところ、感電。指先から全身にかけて電流が走るという事件が起こった。7月28日付の地元紙「華商報」が伝えた。

 驚いた劉さんはすぐさま手を離したため命に別状はなかったが、ショックのためしばらくその場にしゃがみ込んでしまった。ようやく立ち上がり、自分の手を見てみると、2本の指先の爪が割れ、流血していたという。知らせを受けた「華商報」の記者が翌日、現場のATMをテスターで測定したところ、200ボルトもの電気が流れていた。

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 銀行カードがそのまま機械にのみ込まれてしまったということもあり、劉さんはすぐに銀行に苦情を申し立てたが、病院での治療帰りに再びそのATMに行ってみると、利用停止にされることもなく普通に人が並んでおり、感電することもなくお金を下ろしていたという。

 パスワードを入れるたびに200ボルトの電圧で感電していたのでは、恐ろしくておちおち金も下ろせないが、中国のATMでは、これ以外にもまだまだ恐ろしいことが起こっている。

 有名なところでは、銀行のATMであるにもかかわらず、しょっちゅう偽札が出てくること。これに対して銀行側は「そんなことはありえない。その偽札がウチのATMから出てきたという証拠はない」などと言って引き換えを拒否するのが常套手段となっている。

「ATMから偽札が出てくるどころか、ATMそのものがニセモノだったという事件もありました。ATMの機械は、中国では中古品が個人でもネットを通じて50万円前後で買えるんです」と話すのは、中国で貿易業を営む日本人男性(43歳)。2010年に、北京で本物そっくりのニセATMが見つかったのだという。

 警察が調べたところ、何も知らない利用客がATMにカードを入れてパスワードを打ち込んでも現金は出てこないのだが、「サービス一時停止」の表示が出てくるため、故障かと思ってそのまま立ち去るだけ。ところが、その間に利用者のカード番号とパスワードが盗み取られ、口座から勝手に現金が引き出されるという手口だった。

「これは利用者が騙されたり損をしたりする事件ですが、その一方で、機械の故障でいくら金を下ろしても残高が減らないという、利用者にとっては夢のような事件も起こっています。ただしこちらは、調子に乗って約300万円相当の現金を下ろして逃走した男が、後に逮捕されて無期懲役の刑に処せられているんですけどね」(同)

 機械の故障なのにお金を多く引き出すと罪になり、偽札を出してもしらばっくれる銀行。結局、損をするのは利用する庶民ばかりというわけか。
(取材・文=佐久間賢三)